新町 (世田谷区)

世田谷区新町：歴史と文化が香る高級住宅街

東京都世田谷区の南東部に位置する新町は、玉川地域に属する閑静な住宅街です。一丁目から三丁目まであり、郵便番号は154-0014です。弦巻、駒沢、深沢、桜新町といった町々に囲まれ、標高38～45mの台地が広がっています。

新町の歴史：世田谷の飛び地から高級住宅街へ

新町は、古くは世田谷村の飛び地として、現在の新町だけでなく、桜新町、深沢、弦巻、駒沢の一部を含む広大な地域を指していました。その広大な範囲を示す証拠として、1913年（大正2年）に開発された東京初の郊外型分譲住宅地「新町住宅」が挙げられます。これは現在の桜新町や深沢の一部に相当します。世田谷新町公園の名称も、かつての新町の広範な範囲を示す名残と言えるでしょう。

1858年から1860年（万治年間）には、世田ヶ谷村新町から世田ヶ谷新町村が成立しました。これは、世田ヶ谷村から分離した新しい町という意味であり、井伊氏による支配下にあったとされています。その後、明治22年（1889年）の町村制施行により駒沢村に編入され、大字世田ヶ谷新町となりました。大正14年（1925年）に駒沢町大字新町となり、昭和7年（1932年）の市郡合併により、現在の世田谷区新町となりました。さらに、昭和42年（1969年）の住居表示に関する法律施行により、現在の区域に再編されました。

交通と地価

新町には、かつて玉川電気鉄道の新町駅が存在していました。その後、桜新町駅、新町二丁目駅と改称されましたが、1969年の玉電廃止に伴い廃止されました。現在の桜新町駅は、東急田園都市線の開通（1977年）後に開業しました。

2024年1月1日時点の公示地価は、新町3-28-11地点で81万7000円/m2と、非常に高い地価となっています。このことから、新町が高級住宅街として高い人気を誇っていることがわかります。

新町の魅力：歴史と文化、そして自然

新町には、歴史ある寺社が数多く存在します。江戸時代から続く久富稲荷神社は、長さ250mの参道が特徴で、例大祭では神輿と太鼓山車による賑やかな催しが開催されます。漫画「ぎんぎつね」のモデルにもなっています。元和2年（1616年）創建の善養院は、曹洞宗の古刹で、歌手・春日八郎の墓も境内にある登録有形文化財です。また、桜神宮は古式神道・神習教の神社で、幼稚園を併設しています。

新町は、漫画「サザエさん」の舞台としても有名です。磯野家の住所として世田谷区新町三丁目が何度か描かれており、長谷川町子の旧宅や出版元、美術館なども新町にありました。

新町は、呑川や呑川親水公園といった自然も豊かなエリアです。かつてはホタルも生息していたと言われています。また、駒沢オリンピック公園も近く、戦後にはプロ野球チームの本拠地として利用されていました。

新町各丁目の特徴

新町一丁目は、国道246号線以南の区域で、深沢小学校や深沢中学校が位置しています。呑川と緑道が近く、落ち着いた住宅街が広がっています。

新町二丁目は、玉川通り旧道と国道246号線に挟まれた区域で、桜新町駅にも近接しています。商店や住宅、寺社などが混在する活気のあるエリアです。かつては志賀直哉が住んでいた時期もありました。

新町三丁目は、国道246号線以北の区域で、駅至近でありながら区画が整った住宅地です。地盤が強固で、上場企業オーナーなどが居住する高級住宅街として知られています。東京電力や東京ガスの施設、駒沢給水塔なども存在し、地域インフラを支えています。

まとめ

新町は、歴史と文化、自然と都市機能が調和した魅力的な町です。高い地価と落ち着いた環境は、多くの人々にとって理想的な住環境と言えるでしょう。その歴史と伝統、そして現代的な利便性を兼ね備えた新町は、これからも多くの人々に愛される町であり続けるでしょう。

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