新蔵町

新蔵町について

新蔵町（しんくらちょう）は、徳島県徳島市内に位置する町であり、現行の行政地名は新蔵町一丁目から三丁目までの三つに分かれています。2009年の調査によると、人口は772人、世帯数は402世帯で、郵便番号は〒770-0855です。

地理

新蔵町は吉野川の分流である新町川と助任川（福島川）に挟まれた「ひょうたん島」の中央部に位置し、内町地区に属しています。東側には助任川が流れ、さらに西には国道55号が通っており、交通が便利なエリアです。町内には徳島市消防局や徳島合同庁舎などの公共施設も整っており、地域に根ざした活動が行われています。

歴史

新蔵町の名称は、徳島藩初代藩主の蜂須賀至鎮が淡路国から収めた年貢米を保管するための米蔵を築いたことに由来しています。当初「新御蔵」や「新御蔵町」と呼ばれていましたが、次第に「御」が取れ、「新蔵町」となりました。江戸時代にはここは重臣の屋敷が多く存在した武家地となっていました。

徳島市新蔵遺跡

1997年から1998年にかけて、新蔵町では保健所改築に伴う調査が行われました。このエリアは徳島城下の重臣層が集まっていた地域と言われており、西尾家や滝川家、岩田家の屋敷跡があるとされています。さらに、平安時代の土器が初めて出土したことでも注目されています。出土した遺物には陶器の碗や天目茶碗の他、「木下弥」の刻印が施された京焼風の肥前系陶器碗、小杉碗、さらには堺擂鉢や瀬戸美濃系の陶磁器など、多様な文化を反映した品々が含まれています。

交通

新蔵町は交通の利便性を考えると、非常に良好な立地です。国道55号や徳島県道29号の徳島環状線が近くにあり、車での移動が容易です。さらに、徳島バスや徳島市営バスの路線も整っており、公共交通機関を利用することも可能です。

施設

新蔵町には多くの施設があります。中でも、徳島大学新蔵キャンパスや徳島市消防局、徳島合同庁舎などの公共機関が集まっています。また、徳島県精神保健福祉センターや徳島保健所、徳島県立保健製薬環境センター、さらには中徳島河畔緑地や新蔵公園も存在し、生活環境が充実しています。文化活動の拠点としては菘翁美術館があり、貫名菘翁に関する作品を数多く蒐集していることでも知られています。さらに、地域のコミュニティの重要な部分を担うみどり保育園や市営の新蔵住宅も整備されており、住みやすい環境に恵まれています。

新蔵町は歴史的な背景を持ちながらも、現代的な生活環境も併せ持つ魅力的な町です。地域の文化や施設が調和し、住民同士の結びつきも強い場所と言えるでしょう。

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