新野幸次郎

新野 幸次郎について

新野幸次郎（にいのこうじろう）は、1925年5月13日に鳥取県八頭郡八東町で生まれました。彼は日本の経済学界に多大な影響を与えた学者であり、神戸大学の名誉教授として知られています。2020年12月13日に神戸市内の病院で急性白血病により95歳で亡くなるまで、長い学問の道を歩み続けました。

学歴とキャリア

新野氏は商家の二男として育ち、鳥取県立商業学校を経て1943年に兵庫県立神戸高等商業学校に進学します。しかし、太平洋戦争の影響により十分な学びの時間を持つことができませんでした。1946年に神戸経済大学（現在の神戸大学）に進み、そこで経済学者の宮田喜代蔵に師事し1949年に卒業しました。

卒業後、新野氏は文部教官に任命され、神戸大学経済学部で助手としてキャリアをスタートさせました。1952年には講師、1953年には助教授に就任し、その後1963年には教授に昇進しました。新野氏は1976年から1978年にかけて経済学部長、1985年から1991年までは学長として大学の運営にも関与しました。1991年には名誉教授に任命され、神戸都市問題研究所の所長として地域に対しても貢献しました。

学問への貢献と受賞歴

新野氏は特に阪神・淡路大震災の復興に際して、震災復興戦略ビジョンの策定に尽力しました。彼の業績は高く評価され、1986年には神戸市文化賞を受賞し、2000年には勲二等旭日重光章を受章するなど、多数の栄誉を受けています。さらに、日本学術会議の会員や日本経済政策学会の会長も務めました。

著書

新野氏の著作は多数あり、それぞれが日本の経済学の視点を豊かにするものです。彼の代表作には以下のような著書があります。

• - 『現代市場構造の理論』（1968年）
• - 『産業組織政策』（1970年）
• - 『日本経済の常識と非常識』（1982年）
• - 『六甲台から 大学と学生と現代社会』（1991年）

また、彼は共編著としても多くの作品を残しており、経済学の進展に寄与しています。「ケインズ経済学」や「寡占経済論」、また「経済政策」に関するシリーズも彼の貢献の一環です。

人物像

新野氏の研究成果や活動は、単に学問的なものにとどまらず、地域社会や政策にも直結する重要なものでした。彼は経済学の理論を実践に移す姿勢を貫き、特に立ち上がるプラン、ビジョンを描くことで社会に貢献しました。

終わりに

2020年の喪失によって新野氏はこの世を去りましたが、彼の業績と影響は今もなお多くの人々に伝えられています。彼の学問の遺産は、次世代の研究者や経済界に受け継がれ、これからも続いていくことでしょう。

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