新野親良

新野親良：幕末の彦根藩を支えた家老

新野親良（にいの ちかよし）は、文化5年（1808年）に彦根藩主井伊直中の十男として生まれました。母は近衛家に仕える山田小右衛門清伯の娘。親良は、幼少の頃に筆頭家老の木俣守易の養子となり、木俣中守と名乗りました。

文政13年（1830年）に、藩祖井伊直政の恩人である新野左馬助親矩の家を再興し別家。2000石を与えられました。彼は実弟である井伊直弼と同じく長野義言に師事し、学問を深めます。直弼が第15代藩主となると、嘉永4年（1852年）には親良は家老に就任し、藩主である弟、そして幕府大老となった直弼を支えました。

安政7年（1860年）の桜田門外の変で直弼が暗殺されると、親良は息子の河手良貞や甥の井伊亮寿らと共に、幼い藩主井伊直憲を補佐しました。万延元年（1860年）には弘道館御用係、後に弘道館総裁を務め、藩士の教育に尽力します。元治元年（1864年）の禁門の変では、藩兵を率いて御所を守護しました。

明治維新後、明治2年（1872年）に彦根藩大参事となり、新政府のもとで藩政に携わりました。明治8年（1875年）に68歳でその生涯を閉じています。

新野親良は、激動の幕末期に彦根藩を支えた重要な人物であり、文化人としても才能を発揮した人物でした。

参考文献

滋賀県教育会『近江人物志』
東京大学史料編纂所『彦根藩家中貞享異譜』

外部リンク

* 新野古拙 幕末彦根の文化人

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