新鞍馬天狗

新鞍馬天狗

『新鞍馬天狗』は、1965年9月18日に公開された映画で、大仏次郎の原作を基にした時代劇です。この作品は大映によって配給され、安田公義監督によるものです。主演は実力派の俳優、市川雷蔵が務め、彼の演技力が多くの観客を魅了しました。さらに、市川雷蔵主演の続編『新・鞍馬天狗 五条坂の決闘』についても触れていきます。

あらすじ

物語は幕末の京都を舞台に展開されます。主人公、倉由典膳は一見、気楽な浪人生活を送っているように見えますが、実は裏の顔を持っています。彼は新選組に襲われる志士たちを助ける「鞍馬天狗」としての一面を持っているのです。展開は次第に複雑になり、彼は長州藩士を助ける際に新選組の隊士を斬ることになります。その隊士は、倉由典膳が通う小料理屋の店主・おとよの弟であり、この行為が彼らの運命を変えるのです。

おとよは弟の仇を討とうと、鞍馬天狗の正体である倉由典膳を狙いますが、やがて彼への思いも芽生え、物語は緊迫感を増します。また、鞍馬天狗は幕府の諜報機関から密かに「人別帖」を入手しますが、その行動が彼の正体を知るきっかけとなります。彼の二重生活がここに描かれ、観客を引き込む見事なストーリーが展開されます。

配役

この映画は豪華なキャストが魅力の一つです。市川雷蔵は鞍馬天狗と倉由典膳の二役を演じ、実力を遺憾なく発揮しました。また、女性キャストには中村玉緒が登場し、おとよというキャラクターを演じています。他にも、藤巻潤（桂小五郎）、中村竹弥（近藤勇）、藤原礼子（幾松）など、おなじみの名前が顔を揃えています。

スタッフ

この作品の制作においても、多彩な才能が集結しました。監督の安田公義は、緻密な演出で評価され、撮影は森田富士郎が担当しています。また、美術には加藤茂、音楽には斎藤一郎が名を連ね、全体のクオリティを高めています。脚本は相良準三と浅井昭三郎が手掛け、原作に忠実ながらも新たな視点を盛り込んでいます。

併映作品と続編

公開時には『座頭市逆手斬り』が併映されており、映画館での観客を楽しませました。また、続編である『新・鞍馬天狗 五条坂の決闘』は1965年11月27日に公開され、引き続き市川雷蔵が主演することになります。この続編でも舞台は引き続き幕末であり、物語がさらに展開されます。

まとめ

『新鞍馬天狗』は、時代劇としてのカテゴリーを超えて、深い人間ドラマが描かれる作品です。主演を務めた市川雷蔵の演技と、効果的なスタッフ陣により、特異な世界観が表現されています。今もなお、時代劇ファンにとって忘れられない作品として愛されています。

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