新飯野橋

新飯野橋

新飯野橋（しんいいのばし）は、福島県の福島市と二本松市にまたがり、阿武隈川に架かる重要な道路橋である。これは福島県道39号川俣安達線の一部で、地域住民にとって欠かせない交通路の役割を果たしている。

橋の概要

この橋は、阿武隈川を渡るために造られており、福島市南東部と二本松市北東部を繋いでいる。現在の橋は2000年に開通したもので、永久橋としては2代目に当たる。具体的には、薄茶色に塗装された鋼製アーチが特徴の下路式ニールセンローゼ橋であり、この橋のデザインは周囲の美しい自然と調和している。橋のたもとには「水辺の小楽校」が設置されており、渡河部の支間長拡大を目的とした設計が施されたことから、シンボル性も兼ね備えている。上り線側には歩道も設けられ、車両と歩行者が安全に通行できるよう配慮されている。総工費は約22億円に達し、地域からの期待を込めたプロジェクトであった。

橋の主要データ

• - 全長: 203メートル
• - 最大支間長: 119.2メートル（第1径間）
• - 幅員: 6.0メートル（最大幅員は11.0メートル）、有効幅員12.0メートル（車道部7.5メートル、歩道部3.3メートル）
• - 形式: 1径間鋼下路式ニールセンローゼ橋・2径間合成鈑桁橋
• - 竣工: 2000年（平成12年）3月

歴史の軌跡

新飯野橋が位置する場所には、かつて飯野渡船場（いいのとせんば）が存在し、周辺地域の人々に利用されていた。1886年、地元の豪農が私財を投じて橋を造ったが、洪水により4年後に流出してしまった。その後も洪水の影響を受け、1915年には渡船も流され、永久橋の必要性が地域で高まった。ついに1936年には初代新飯野橋が完成したが、古くなり機能的な問題を抱えていたことから、1996年から架け替え工事が行われた。

新しい橋は、若干上流に設置され、当時の交通環境向上に大きく寄与することとなる。特に老朽化した橋は一車線のみで、対向車がすれ違うことが困難であり、そのため新飯野橋の建設は待望されていた。

和台遺跡の発見

また、橋の取り付け道路の工事に際して、飯野町側の丘陵を削る過程で、縄文時代中期の集落遺跡である和台遺跡が発見された。この遺跡からは、全国的にも珍しい人の顔の装飾が施された土器が出土し、考古学的にも重要な発見とされている。このため工事計画の見直しも行われ、遺跡保護のための配慮がなされている。

近隣の橋

新飯野橋の上流には新舟橋が、下流には逢隈橋がある。これらの橋と共に、新飯野橋は地域の交通インフラを支える重要な役割を果たしている。

このように新飯野橋は、歴史、地域文化、自然環境が融合した場所であり、福島県内でも特に美しい景観を楽しむことができるスポットとなっている。

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