方広寺 (天台県)

方広寺

方広寺は、中華人民共和国浙江省台州市天台県に位置する仏教寺院です。その長い歴史と豊かな文化財で知られています。

歴史

方広寺は、東晋時代の興寧年間に曇猷尊者によって創建されました。その後、唐代には「方広聖寿寺」と改称されました。五代十国時代には、五百羅漢殿が修築されています。

『華厳経感應略記』には、当時の様子が詳しく記されています。それによると、嘉全億長史が五百羅漢のイメージを描き、一体一体を迎えるごとに、石橋で夜を明かし、香を焚き、銅鑼や鈸、幢蓋を携えて行列を作り、寺院へと導いたとされています。香の風が幢を送り込む勢いで、前へと靡きながら進み、山門に入るとすぐに止まったと言います。また、方広寺で梵唄が始まると、金色に輝く鳥が飛び立ち、林や樹木の傍を飛び回ったと伝えられています。呉越国王の銭弘俶は、しばしば布施や供養を行い、五百体の銅羅漢を造らせました。

北宋の初めには、「方広崇禅寺」の名を賜りましたが、徽宗の建中靖国元年（1101年）の火災により、寺は全焼してしまいました。その後、紹熙4年（1193年）に寺院は重修されました。

明代に入ると、万暦32年（1604年）に居士の葛一鵬が寺院を再建しました。さらに、崇禎16年（1634年）には、王夫之兄弟と夏汝弼が資金を募り、全面的な再建が行われ、崇禎18年（1636年）に完成しました。

清代の道光年間には、曽国荃が先頭に立って資金を拠出し、寺院が再建されました。

1980年以降、地元政府は寺院の修復に力を入れています。1983年には、中華人民共和国国務院により、漢族地区仏教全国重点寺院に認定されました。1989年10月14日には、仏像開眼式が盛大に執り行われました。

伽藍

方広寺の伽藍は、以下の建造物で構成されています。

山門
大雄宝殿（本堂）
五百羅漢殿
会仏堂
地蔵殿
佇真堂
左右廂房

重要文化財

方広寺には、数多くの重要文化財が所蔵されています。

徽宗の「天下名山」の額
書画家米芾の「第一奇観」の石刻
石綸の「大観」の正書石刻
王榭の「星橋勝概」の行書石刻
曹掄選の「万山関鍵」の隷書石刻
康有為の「石染飛瀑」の正書石刻

主な住僧

方広寺の主な住僧は以下の通りです。

曇猷尊者
興慈法師
通和法師
* 定栄

文学

清代の文人、汪隆は方広寺について以下の詩を詠んでいます。

(詩の内容は原文を参照)

もう一度検索