旅客上屋

旅客上屋（りょかくうわや）

旅客上屋とは、鉄道駅のホーム上に設置される屋根状の構造物のことです。主に、駅を利用する乗客が雨や雪などの悪天候から身を守るために設けられます。一般的には「ホーム上屋」とも呼ばれます。

構造と材質

旅客上屋の構造は、柱や梁などの構造体と、それを覆う屋根で構成されます。構造体の材質には、以下のようなものが用いられます。

木造: 温かみのある雰囲気を出すことができ、歴史的な駅舎などで見られます。
レール製: 鉄道のレールを再利用したもので、耐久性に優れているのが特徴です。
鉄製: 現代的な駅舎で多く見られ、強度とデザイン性を両立できます。

ホームの形状と上屋の構造

ホームの形状によって、旅客上屋の構造も異なります。

島式ホーム: ホームの両側に線路がある形式で、上屋は壁のない開放的な構造となることが多いです。しばしば、待合室が併設されていることもあります。
相対式ホーム: ホームが線路を挟んで向かい合っている形式で、上屋は線路と反対側の側面に壁と窓が取り付けられていることが多いです。これにより、風雨をより防ぐことができます。

屋根の形状

旅客上屋の屋根の形状は、駅や設計によって様々です。代表的なものとして、以下の形状があります。

片流れ: 一方向に傾斜したシンプルな形状です。
Λ型（かまぼこ型）: 屋根の中央部分が高く、両側に傾斜している形状です。
V型: 中央部分が谷状にくぼんだ形状です。

上屋の長さ

旅客上屋の長さは、必ずしも停車する列車の長さと同じであるとは限りません。上屋が短い場合、列車の端の車両は上屋のない位置に停車することがあります。また、ホームの長さに対して上屋の長さが極端に短い場合、乗務員専用の非常に短い上屋が設置されていることもあります。

その他の上屋

旅客上屋の他に、鉄道施設には以下のような上屋があります。

トレイン・シェッド: 駅構内の複数の線路やホームを覆う大規模な上屋です。
貨物上屋: 貨物の積み下ろし作業を行う場所に設置される上屋です。
* 荷物上屋: 手荷物や小荷物を扱う場所に設置される上屋です。

これらの上屋は、それぞれ異なる目的で使用され、その構造も用途に応じて設計されています。

旅客上屋は、乗客の快適な鉄道利用を支える上で、重要な役割を担っています。その多様な構造や形状は、各駅の個性や歴史を反映しており、鉄道施設を観察する上での興味深い要素の一つと言えるでしょう。

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