旅順駅

旅順駅の概要

旅順駅（りょじゅんえき）は、中国大連市旅順口区に位置する旅順支線の終着駅です。この駅は1903年に開業し、瀋陽鉄路局の管轄下にある2等駅として、旅順軍港の近隣にあります。駅舎はロシア風の木造建築が特徴で、歴史ある雰囲気を醸し出しています。かつては大連駅との間で旅客列車が運行されていましたが、2014年4月21日にそのサービスは廃止されました。

鉄道路線と駅構造

旅順駅は中華人民共和国鉄道部（中国国鉄）の一部として運営されており、主に瀋大線の旅順支線が利用されています。駅の構造はシンプルで、1面1線のホームがあり、海側には数本の留置線が設けられています。駅構内の末端部には旅順軍港へ入るための線路があり、機回し作業に使われます。この際、機回し線と公道が交差するため、交通が一時的に阻害されることがあります。

駅舎内には2つの窓口と1つの改札口があり、荷物検査用のX線照射機も設置されています。また、改札口の前には待合室として利用されるベンチが設置されています。

駅周辺の環境

旅順駅の周辺は旅順の旧市街地で、さまざまな歴史的建造物が点在しています。駅からは旅順軍港の埠頭に向かう引込み線が延びています。2009年6月以降、旅順駅は外国人立入制限区域ではなくなりましたが、近隣には軍関連の施設が多いため、周囲を不用意に歩くことはおすすめできません。ただし、駅前にはホテルがあり、観光ツアーも利用できるようになっています。

その他にも、旅順軍港公園や百鳥園といった観光名所が周辺に存在し、訪れる游客には魅力的なスポットとなっています。また、2006年には渤海鉄道の旅順西駅が新たに設置され、旅順駅の近くからもアクセス可能になっています。

旅順駅の歴史

旅順駅の歴史は、1898年にロシアが旅順を租借した時点に遡ります。この年、ロシアは旅順の軍港を拡張し、東清鉄道の敷設を開始しました。1900年にはロシア人の設計により駅の建築が始まり、1903年7月14日に運行が始まりました。しかし、1904年には日露戦争のために営業が休止されます。

1905年には旅順が陥落し、日本軍による軍事物資の輸送のため、駅の軌道がロシア式の広軌から狭軌へと改められました。その後、1906年に南満州鉄道に移管され、1907年には軌道が再び標準軌に改められました。1945年の日本の敗戦後、ソ連軍によって接収され、中ソ共同運営が始まりました。1952年12月には中国政府の管理下に移行し、1985年にはその歴史的価値から大連市文化財保護単位に指定されました。2002年には大連市重点保護建築として保護され、2005年には修築工事が行われました。

2014年に最後の旅客列車が廃止され、その後は切符販売窓口のみが残されるという運命を辿りました。歴史深い旅順駅は、今もなお多くの人々に愛され、感慨深い瞬間を提供し続けています。

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