族譜 (映画)

『族譜』（ぞくふ、チョクポ、朝鮮語: 족보、英語: The Genealogy、英語別題：The Family Pedigree）は、1979年に公開された韓国映画であり、イム・グォンテクが監督を務めました。この作品は、1978年の映画として言及されることもあります。

本作は、第17回大鐘賞において、優秀作品賞、監督賞、そして主演男優賞（ハ・ミョンジュン）の3部門を受賞しました。これは、作品の質の高さと、監督や俳優陣の優れた演技が評価されたことを示しています。

原作は、日本統治時代の朝鮮で幼少期を過ごした日本の作家、梶山季之による短編小説『族譜』です。しかし、日本では劇場公開されていません。その一方で、非商業的な上映は日本国内でも行われており、韓国文化院での上映や、各地での自主上映会が開催されています。また、NHK教育テレビでも放送されたことがあります。

物語の舞台は、日本統治下の朝鮮です。大地主の一族の長であるソル・ジニョン（薛鎮英）は、日本政府による創氏改名政策に強く抵抗し、一族の氏を日本式のものに変えることを拒否します。この状況に対し、京畿道庁の日本人職員である谷六郎が、ソルを説得するために派遣されます。しかし、谷は自身の任務と、朝鮮文化への敬意、そしてソルの娘に対する淡い恋心の間で、深く葛藤します。

この映画には、以下の俳優が出演しています。

チュ・ソンテ（朱善泰、주선태）
ハ・ミョンジュン（河明中）
ハン・へスク（韓惠淑）
チェ・ナミョン（崔湳鉉）
キム・シンジェ（金信哉）
ユン・ヤンハ
チュ・サンホ（朱相鎬）
キム・ソックン（金石薰）
トッコ・ソン（獨孤成）


映画『族譜』は、日本統治時代の朝鮮における文化的な対立や、人々の葛藤を描いた作品です。創氏改名という歴史的な出来事を背景に、個人の尊厳と文化的なアイデンティティを守ろうとする人々の姿を、深く、そして感動的に描いています。また、日本人の官僚が朝鮮文化に触れ、心境を変化させていく様子は、観る者に複雑な感情を抱かせます。この映画は、歴史的な背景を知る上で、そして人間の普遍的な感情を理解する上で、非常に価値のある作品と言えるでしょう。


関連情報として、以下のリンクもご参照ください。
族譜 - allcinema
族譜 - KINENOTE
Jokbo (1979) - IMDb（英語）
The Family Pedigree (Jogbo)(1978) - KMDb Korean Movie Database
The Genealogy (1979) - koreanfilm.org

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