日下尚

日下 尚（くさか なお）

日下尚は2000年11月28日生まれで、日本のレスリング界で特に注目される選手です。香川県高松市で育ち、77kg級で競技を行っています。彼の名前は、2019年のシドニーオリンピック女子マラソンで金メダルを手にした高橋尚子にちなんで名付けられました。また、相撲経験を活かし、「相撲レスラー」という異名も持っています。

レスリングとの出会い

日下は3歳の時に高松クラブでレスリングを始めました。中学時代はレスリングだけでなく、相撲にも挑戦し、全国大会にも出場しました。相撲で培った技術は、後のレスリングキャリアにおいても大きな役割を果たし、特にハズ押しやおっつけなどの技術をレスリングに応用することで成功を収めました。

学生時代の成績

高松北高校では、2年生でJOC杯カデットの部76㎏級で優勝し、世界カデット選手権では5位に入賞。3年生では全国高校生グレコローマン選手権71㎏級での優勝を果たしました。

2019年、日下は日本体育大学に進学し、1年生の時には全日本選抜選手権と全日本選手権で優勝を果たしましたが、U-23世界選手権では5位となりました。3年生の時には全日本学生選手権と全日本大学グレコローマン選手権で優勝しましたが、全日本選手権や全日本選抜選手権ではいずれも2位となりました。4年生では全日本選手権で2位、全日本学生選手権では2連覇を達成し、U-23世界選手権でも3位になりました。

プロとしての飛躍

2023年には三恵海運に所属し、全日本選抜選手権での優勝を果たしました。同年の世界選手権では準決勝でチャンピオンのアクジョル・マフムドフに敗れますが、3位決定戦で勝利。この成績により、2024年パリオリンピック代表に内定しました。2024年にはアジア選手権でも優勝し、順調にキャリアを重ねました。

パリオリンピックでの偉業

2024年8月に開催されたパリオリンピックでは、グレコローマンスタイル77kg級の決勝戦でカザフスタンのデメウ・ジャドラエフに勝利し、金メダルを獲得しました。この結果は、日本がグレコローマンスタイルでオリンピックの1大会において2個の金メダルを獲得するのは1964年の東京オリンピック以来60年ぶりの出来事です。また、日下は香川県出身者として初めて夏季冬季を通じてオリンピックの個人種目でメダルを獲得した選手となりました。さらに、彼は日本レスリング史上最重量級であり、フリースタイル・グレコローマンを含む金メダリストとしての名声を築いています。

主な戦績

日下の主な戦績を以下に示します。彼の成績は、彼の成長と努力の証です。

• - 2017年 - JOC杯カデットの部 優勝（76kg級）
• - 2018年 - 全国高校生グレコローマン選手権 優勝（71kg級）
• - 2019年 - 全日本選抜選手権 優勝
• - 2023年 - 世界選手権 3位
• - 2024年 - パリオリンピック 優勝

日下尚の活躍は、今後も日本のレスリング界において刺激となり、多くの若手選手たちに影響を与えることでしょう。

もう一度検索