日下部五朗

日下部 五朗について

日下部五朗（くさかべ ごろう、1934年7月23日 - 2020年2月7日）は、日本の著名な映画プロデューサーであり、岐阜県に生まれました。彼は映画業界で特に東映において活躍し、数々のヒット作を生み出しました。

学歴とキャリアの始まり

早稲田大学を卒業後、1957年に東映に入社した日下部は、映画『現代任侠史』や『日本の首領シリーズ』などのプロデュースを行ってきました。彼の仕事は、日本の映画界における重要な柱となり、特に時代劇や任侠映画においてその手腕を発揮しました。

受賞歴と業績

1996年には、映画『藏』で日本アカデミー賞特別賞企画賞を受賞し、さらに映画『楢山節考』では、名監督の今村昌平による作品でパルム・ドールを獲得するなど、国際的にもその才能が評価されました。

人間関係とトラブル

日下部はその業績のみならず、彼の人物像や業界内での人間関係も注目されました。特に、製作総指揮を務めた映画『鬼龍院花子の生涯』を巡って、女優の梶芽衣子からの批判を受けることとなります。彼女は自身の著書やインタビューで、日下部が自分の企画を横取りしたとして厳しく非難しています。

梶は、日下部がプロデューサーとして関与する際、実際には彼と話したことがないと証言しており、彼女が映画化を進めていた原作の権利を日下部が盗んだかのような立場を取られてしまったと言います。彼女は映画化のために具体的なプランを立てており、結果的に東映から突然発表された内容に驚かされたと言います。

日下部の立場

一方で日下部は、著書『シネマの極道』の中で梶との関係について言及しています。これは彼自身が異なる視点からの経緯を主張するもので、意見が真っ向から対立しています。この対立は、ただの業界内部の軋轢に留まらず、業界全体のダイナミクスにも影響を与えています。

晩年と死去

日下部は2020年に腎不全により京都府で亡くなりました。彼の死は、多くの映画ファンや業界関係者によって惜しまれています。

著書

日下部はまた、映画に関する著書も執筆しています。2012年には「シネマの極道 映画プロデューサー一代」、2015年には「健さんと文太: 映画プロデューサーの仕事論」を出版し、映画制作に関する自身の見解や経験を述べています。

結論

日下部五朗は、日本の映画界において長いキャリアを持つ影響力のあるプロデューサーであり、その業績は多くの作品に色濃く残っています。彼の人生は業界の変遷と共にあり、彼自身の物語を通して見えてくる業界の裏側や人間関係の複雑さは、映画の魅力を一層深めています。

もう一度検索