日吉久美子

日吉 久美子（ひよし くみこ）氏は、1964年2月6日に静岡県富士市に生まれた日本の女子プロゴルファーです。

経歴

ゴルフとの出会いは14歳。中学校卒業後、プロゴルファーの二瓶綾子氏に師事し、厳しい研鑽を積みました。その努力が実を結び、18歳を迎えた1982年にプロテストに見事合格。しかし、プロの世界は甘くなく、プロ転向後すぐに華々しい活躍を見せることはできず、長い雌伏の時を過ごすことになります。

優勝にはなかなか手が届かない時期が続きましたが、着実に経験を積み重ねます。1990年には大王製紙エリエール女子オープンで4位、1991年はいすゞレディースカップで3位タイと、少しずつ成績が向上していきました。

そして、プロ入りから11年目となる1992年、遂にその努力が結実します。五洋建設KTVレディースにおいて、通算10アンダーという見事なスコアで他を圧倒し、2位に3打差をつけて念願のツアー初優勝を飾りました。この初優勝までの長い道のりは、当時のメディアに「雑草」と称される由縁となりました。この年、賞金ランキングは9位と自身初のトップ10入りを果たしました。

1993年は日吉氏にとって飛躍の年となります。CHIYODAレディースゴルフトーナメントでは、服部道子氏とのプレーオフを制してシーズン2勝目を挙げると、続く紀文レディースクラシックでも優勝。この年、賞金獲得額は約5,391万円、賞金ランキングは5位といずれも自己最高を記録し、トッププレーヤーとしての地位を確固たるものにしました。

1994年には、公式戦である日本女子プロゴルフ選手権大会に挑みます。最終日、一時は首位に4打差をつけられる苦しい展開となりますが、キャディからのアドバイスをきっかけに終盤猛チャージ。バーディーラッシュでスコアを伸ばし、通算3アンダーで逆転優勝を飾りました。2位に2打差をつける堂々たる勝利で、自身初の公式戦タイトル獲得となりました。

しかし、順風満帆なキャリアに思わぬアクシデントが訪れます。1995年、連覇を目指して出場した日本女子プロの大会会場で体調を崩し、胆石症と診断されて緊急入院・手術。このため、同年後半の大会出場を断念せざるを得なくなり、成績も一時的に低迷。賞金ランキングも1995年は58位、1996年は47位と苦しい時期を過ごしました。

1997年には優勝こそありませんでしたが、3度の3位（タイ含む）に入るなど復調の兆しを見せ、賞金ランキングは18位まで回復。1998年には富士通レディースで優勝した肥後かおり氏に1打差と迫る2位に入るなど、再び上位争いに顔を出すようになります。

1999年には紀文クラシックで優勝。この年は、1994年の日本女子プロ優勝で獲得したシード権がちょうど失効する年度であり、5年ぶりの優勝は完全復活を印象づけるものとなりました。賞金ランキングも15位と、再びトップクラスに返り咲きました。

2000年は優勝なしに終わりますが、2001年の日本女子プロゴルフ選手権大会で再びドラマが生まれます。最終18番ホールを首位と1打差で迎え、優勝争いは最終組の3人に絞られていました。特徴的な池越えのホールで、先行する選手が池に入れる波乱が起きる中、日吉氏は前日に同じミスをしていたにも関わらず、冷静にフェアウェイを捉えパーでホールアウト。通算6アンダーとし、1打差で2位となった選手たちを振り切り、7年ぶり二度目の公式戦優勝を達成しました。

2002年以降は優勝から遠ざかり、賞金ランキングも50位を下回る年が続きましたが、長きにわたり日本の女子プロゴルフ界で存在感を示しました。

人物・逸話

長い下積み時代を経て初優勝を掴み、その後も病気による低迷を乗り越えて再び頂点に立つなど、その粘り強さから「雑草」と称されることがありました。また、優勝には至らなかったものの、東洋水産レディス北海道では自身のベストスコアとなる67を3度も記録するなど、随所に輝きを見せるプレーヤーでした。

主なツアー優勝 (6)

• - 1992年：五洋建設KTVレディース
• - 1993年：CHIYODAレディースゴルフトーナメント
• - 1993年：紀文レディースクラシック
• - 1994年：日本女子プロゴルフ選手権大会
• - 1999年：紀文クラシック
• - 2001年：日本女子プロゴルフ選手権大会

（太字は公式戦）

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