日商マスター

日商マスターとは

日商マスターは、日本商工会議所が認定する資格であり、高度情報化社会において情報通信技術（ICT）を効果的に活用できる人材育成を目的としています。特に、パソコンおよびネットワークの有効活用を指導できる人材を育成することに重点を置いており、産業界における効率的なビジネス推進、国民生活の向上、情報通信技術の活用環境構築に貢献することを目指しています。日商PC検定試験の上位資格という位置づけです。

概要

1992年（平成4年）から日本商工会議所によって実施されている認定制度です。資格取得には、複数の検定試験合格を前提とし、研修や実習への参加が必須となります。単にパソコンやインターネットに詳しいだけでなく、指導者としてのコミュニケーション能力も重視されます。

認定を受けるには、前提資格の取得に加えて、研修への参加、レポートの提出、面接試験を通過する必要があるため、難易度は高いです。ITパスポート試験や基本[[情報技術者試験]]といった国家試験と比較しても、合格は容易ではありません。

受験資格

日商マスターの受験資格を得るには、まず日商PCプロフェッショナル認定証を取得する必要があります。これは、日商PC検定の「文書作成」「データ活用」「プレゼン資料作成」の3分野すべてにおいて、2級以上に合格することで得られます。

認定要件

日商マスターとして認定されるためには、以下の要件をすべて満たす必要があります。

1. 日商PCプロフェッショナル認定証の取得: 研修を受けるための必須条件です。
2. 集合研修の受講: 年1回、2日間の研修が東京で開催されます（例年12月上旬頃）。
3. 第一次試験の合格: 指導実績リスト・指導実績レポートを提出し、一定基準以上の評価を得る必要があります（例年1月中旬頃）。
追加条件として、第一次試験までに日商簿記検定初級以上、日商簿記検定原価計算初級、または電子会計実務検定3級以上に合格している必要があります。これを満たせない場合、不合格となります。
4. 第二次試験の合格: 面接試験が実施され、指導実績リスト・レポートの内容に基づき、指導者としての問題解決力や実践力が評価されます。日本商工会議所を会場として、例年2月下旬〜3月上旬頃に実施されます。遠方からの参加が難しい場合は、Skypeによる面接も可能です。

第二次試験で認定要件を満たしたと判断された場合、最終的に日商マスターとして認定されます。

更新制度

日商マスターには有効期限があり、原則として3年間です。資格を更新するためには、定められた期間内に日本商工会議所が指定する研修会・講習に1度以上参加する必要があります。更新を行わない場合、資格は失効します。

まとめ

日商マスターは、ICTに関する深い知識と指導スキルを証明する資格です。取得難易度は高いものの、ICT指導者としての能力向上、キャリアアップに繋がります。ICT分野で活躍したい方にとって、有力な選択肢の一つとなるでしょう。

関連項目

日本商工会議所
日本の情報に関する資格一覧
日本の技能・サービスに関する資格一覧

関連資格

ITパスポート試験（国家試験、情報処理技術者試験）
ITコーディネータ（経済産業省推進資格）
ICTプロフィシエンシー検定

外部リンク

日商マスター｜商工会議所の検定試験

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