日峰神社

日峰神社

日峰神社は、徳島県小松島市中田町に位置し、阿波三峰の一つである日峰山（標高191m）の山頂に鎮座する神社です。

祭神

主祭神は大日霊貴神、相殿神として少彦名神と市杵島比女神が祀られています。また、境内社には船玉大神があります。

由緒

社伝によれば、奈良時代の天平勝宝2年（750年）に豊野真人篠原が阿波守として赴任しました。翌年、国内で疫病が流行し、苦しむ住民を見た阿波守は、日峰山で火焚き神事を行い祖神に祈願したところ、疫病が治まったと伝えられています。この出来事をきっかけに、山上に社が建立されたとされています。この伝承にちなみ、現在も毎年「十八山火焚祭」が斎行されています。

中世以降は「日峯大権現」と称されていました。桃山時代の天正14年（1586年）には、初代徳島藩主となった蜂須賀家政が阿波入国の際に日峰館に滞在し、築城の場所を定めようとしました。家臣は日峰山を薦めましたが、家政は聖域であるとして、現在の徳島城の地に築城したと伝えられています。その後、日峰山一帯は聖域として保護され、樹木の伐採が禁じられました。

明治5年（1872年）に「日峯神社」から「日峰神社」に改称され、村社に列しました。

蟹の絵馬

日峰神社には、蟹の絵が描かれた絵馬が奉納されるという珍しい風習があります。

この蟹の絵馬には、次のような伝承があります。昔、小松島の農民たちは、田植えの時期になると稲の苗が蟹に食い荒らされる被害に悩まされていました。困り果てた農民たちは日峰神社に祈願したところ、不思議なことに蟹の被害がなくなったそうです。それ以来、祈願や成就の感謝として、蟹の絵馬が奉納されるようになったと言われています。祈願を行った信者の中には、蟹を食べることを控えるようになった人も多くいたそうです。

社殿には、さるかに合戦や蟹千匹など、蟹にちなんだ大額も奉納されています。

参考文献

徳島史学会/編 『新版 徳島県の歴史散歩』 山川出版社/刊 1995年 167-169ページ
現地配布由緒書 日峰神社社務所/発行

外部リンク

* 日峰神社（公式サイト）

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