日新真事誌

日新真事誌（にっしんしんじし）の歴史

日新真事誌は、明治時代の日本における重要な邦字新聞であり、イギリス人のジョン・レディー・ブラックによって創刊されました。1872年3月、東京の築地で初めて発行され、その後日本の報道において重要な役割を果たしました。創刊号の日付は旧暦で明治5年3月17日となっています。

初めは隔日発行でスタートしましたが、需要に応じて日刊に変更され、読者の関心を引く多様な記事や評論が掲載されました。日新真事誌は、近代的な新聞の運営形態や内容において先駆け的存在であり、特に政治関連の記事が特徴的でした。実際、この新聞は左院（今の参議院に相当）に御用達であったことから、政府や政治に関する最新情報を常に伝達する役割を果たしました。

この新聞の名は、特に板垣退助と後藤象二郎が関わった「民撰議院設立建白書」の掲載によっても知られています。この建白書は、日本の政治体制に変化をもたらすための重要な文書であり、日新真事誌はその掲載を通じて社会に影響を与える媒体となりました。報道の透明性を求める動きや市民の権利に関する考えが形成される一助ともなりました。

しかし、日新真事誌の歴史は長くは続きませんでした。1875年6月、内務省の警保寮が制定した新聞紙条例により、日本における新聞社の経営者は日本人でなければならないとの規制が設けられました。このため、日新真事誌はその年の末、自らの265号をもって廃刊に至りました。

日新真事誌の本社は一度、東京の銀座に移転しましたが、その後、廃刊した後には様々な事務所や店舗が入居することとなります。最終的に、現在の銀座和光の所在地となった場所には、後に設立された朝野新聞が本社を構え、その後も様々な商業施設が立ち並ぶ地域となりました。

このように、日新真事誌は明治時代の日本において、政治や社会の動向を報道し、国民の意識を高めるために貢献した歴史的な新聞と言えます。その影響は、近代的な報道のあり方やその後の新聞業界にも引き継がれていくこととなりました。

外部リンク

• - 日新真事誌 - コトバンク

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