日日是好日

日日是好日（にちにちこれこうにち）

「日日是好日」は、禅の言葉として知られる金言です。この言葉は、唐末の禅僧である雲門文偃の言葉に由来するとされ、『雲門広録』にその原典を見ることができます。しかし、一般的には『碧巌録』第六則に収録された公案として広く知られています。この言葉は、様々な表記で伝えられており、「日々是好日」や「雲門日々是好日」などとしても知られています。

読み方について

この言葉の読み方には、いくつかのバリエーションが存在します。禅語としては、「にちにちこれこうにち」と読むのが正しいとされていますが、「にちにちこれこうじつ」と読む例も見られます。また、「ひびこれこうじつ」という読み方も広く用いられ、作品名などにも使用されています。さらに、「ひびこれこうにち」や「ひびこれよきひ」と読む場合もあります。これらの多様な読み方は、この言葉が様々な形で人々に受け入れられ、解釈されてきたことを示唆しています。

『碧巌録』における「日日是好日」

『碧巌録』第六則では、この言葉は公案の一部として登場します。その内容は、雲門文偃が弟子の僧に対して「ここまでの15日間のことは問わない。では、これからの15日間をどう過ごすか」と問い、自ら「毎日が素晴らしい日だ」と答えたというものです。この問答は、「日日是好日」という言葉の真意を探るための重要な手がかりとなります。

意味と解釈

「日日是好日」を文字通りに解釈すれば、「毎日毎日が良い日である」という意味になります。しかし、この言葉は単に毎日を肯定するだけでなく、より深い意味を含んでいます。一つの解釈として、毎日が良い日となるように努力することの重要性を説いていると捉えることができます。また、日々起こる出来事に一喜一憂するのではなく、常に「今この時」を大切に生きるべきだという教えであるとも解釈できます。さらに、物事の良し悪しに捉われず、あるがままを受け入れることの重要性を説いているとも考えられます。この言葉は、禅の思想に基づいた、心の持ち方や生き方を教えてくれる言葉と言えるでしょう。

「日日是好日」の教え

「日日是好日」は、単なる標語ではなく、私たちの生き方そのものに関わる深い教えです。この言葉は、毎日を大切に生きること、今この瞬間を精一杯生きることの大切さを教えてくれます。また、良い日も悪い日も全てを受け入れ、その中で学びを得て成長していくことの重要性を説いています。この言葉は、日々の中で迷いや苦しみを感じる時に、私たちを正しい方向へと導いてくれる指針となるでしょう。常に前向きな姿勢で、毎日を大切に生きるための心の持ち方を教えてくれる、それが「日日是好日」の教えです。

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