日本とアルゼンチンの関係

日本とアルゼンチンの関係

日本とアルゼンチンの関係は、19世紀後半に確立されました。両国間の交流は、移民、貿易、文化交流など、多岐にわたります。ここでは、両国関係の歴史、経済交流、人的交流、外交関係について詳しく解説します。

初期の接触

16世紀には、フランシスコ・ハポンという洗礼を受けた日本人青年がアルゼンチンに渡った記録が残っています。彼は奴隷として売られましたが、後に裁判で自由を取り戻しました。しかし、本格的な交流は19世紀後半に始まりました。1886年には、初めて日本人がアルゼンチンに移住しました。1910年には、農業専門家の伊藤清蔵教授がアルゼンチンに渡り、農業技術の向上に貢献しました。

国交樹立と発展

1898年、日本とアルゼンチンは修好通商航海条約を締結し、正式な国交を樹立しました。1899年には定期的な海上貿易が開始され、両国間の経済関係が深まりました。日露戦争時には、アルゼンチンが購入した巡洋艦「日進」と「春日」を日本に売却し、日本を支援しました。1940年には、両国の大使館が設置され、外交関係が強化されました。

第二次世界大戦

しかし、第二次世界大戦中、両国関係は断絶しました。1944年に外交関係は中断され、1945年にはアルゼンチンが連合国側として日本に宣戦布告しました。

戦後の関係

戦後、1952年にサンフランシスコ平和条約が締結され、両国は国交を回復しました。1960年には、アルゼンチンのアルトゥーロ・フロンディシ大統領が日本を訪問し、二国間貿易と日本の対アルゼンチン投資の重要性が強調されました。両国間の貿易は、日本からの機械製品の輸出と、アルゼンチンからの食料品や原材料の輸入が中心です。また、入国管理、修好通商航海、技術協力、文化交流に関する協定が締結され、両国間の協力関係が強化されました。

経済交流

1990年代以降、日本の自動車産業がアルゼンチンに進出し始めました。トヨタ自動車は1997年にサラテ工場を建設し、ハイラックスを生産。2011年には、本田技研工業がカンパナ工場で四輪車の生産を開始しましたが、2020年に二輪車製造に移行しました。2018年には日産自動車がコルドバ州の工場でフロンティアの生産を開始しました。

要人往来

日本の皇族もたびたびアルゼンチンを訪問しており、1991年に高円宮夫妻、1997年には天皇皇后両陛下、1998年には秋篠宮夫妻が訪問しています。アルゼンチンからは、1986年にラウル・アルフォンシン大統領、1990年、1993年、1998年にカルロス・メネム大統領が日本を訪問しました。

外交使節

両国はそれぞれ大使館を設置しており、駐アルゼンチン日本大使館はブエノスアイレスに、駐日アルゼンチン大使館は東京にあります。

駐日アルゼンチン大使

歴代の駐日アルゼンチン大使には、ロドルフォ・モレノ、ルドルフォ・ガルシア・アリアス、ホルヘ・オラシオ・ランダブル、アレハンドロ・ホセ・ルイス・オルフィラ、フアン・ベネディクト・マルティン、ホルヘ・カワバタ、エンリケ・ホルヘ・ロス、エルネスト・ルイス・デ・ラ・グアルディア、アルフレド・ビセンテ・キアラディア、ダニエル・アダン・シエベソ・ポルスキ、ラウル・ギジェルモ・テジャン・ロドリゲス、アラン・クラウディオ・ベロー、ギジェルモ・フアン・ハント、ルベン・エドゥアルド・ミゲル・テンポーネなどがいます。また、臨時代理大使としてセサル・ロドルフォ・カンポイが務めた時期もありました。

まとめ

日本とアルゼンチンの関係は、19世紀後半に始まり、移民や貿易、文化交流を通じて発展してきました。第二次世界大戦中に一時的に断絶しましたが、戦後、両国は関係を修復し、経済、文化、人的交流を深めています。今後も両国間の良好な関係が継続することが期待されます。

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