日本とアンドラの関係

日本とアンドラの関係

日本とアンドラ公国は、地理的に大きく離れているものの、友好的な関係を築いています。アンドラは、フランスとスペインに挟まれた小さな国であり、その歴史的背景から、独自の国家としての歩みを始めたのは比較的最近のことです。

歴史

アンドラは、1814年にフランス帝国の支配から脱した後、独立した公国として存在していましたが、その外交権は長らくウルヘル司教とフランス大統領が共同で有していました。しかし、実際にはフランス大統領がフランス外務省を通じて外交権を行使しており、アンドラは事実上フランスの衛星国のような状態でした。この状態は、アンドラが独立国であるかどうかを曖昧にし、憲法を持たず国際連合にも未加盟、日本も未承認という状態が続いていました。

1993年2月、アンドラ国会で憲法が可決され、同年3月の住民投票で承認されたことで、アンドラは名実ともに独立を果たしました。フランスとスペインは同年6月1日にアンドラを主権国家として承認し、同年7月にはアンドラの国連加盟が全会一致で認められました。

これを受けて、日本は1993年12月にアンドラ公国を承認し、1995年10月に外交関係を開設しました。以来、両国は友好関係を維持しています。ただし、アンドラは日本に在外公館を設置しておらず、日本もパリの駐フランス日本国大使館がアンドラを兼轄しています。

外交

日本は東アジアの大国であり、アンドラは南ヨーロッパのミニ国家という、両国の状況は大きく異なります。そのため、歴史的な繋がりは浅く、人的・経済的な交流も発展途上です。しかし、両国は民主主義、自由主義、資本主義、法の支配、人権の尊重といった多くの価値観を共有する友好国です。

要人往来

2005年には、アンドラのマルク・フォルネ首相が初めて訪日し、小泉純一郎首相と首脳会談を行いました。フォルネ首相は、日本の常任理事国入りを支持する発言をし、国際的な協力関係を深めることを確認しました。

2015年には、薗浦健太郎外務大臣政務官がアンドラを訪問し、外交関係樹立20周年を祝うとともに、経済・観光分野での意見交換を行いました。2019年には、アンドラのマリア・ウバック・フォン外相が即位の礼のため訪日し、茂木敏充外相と会談しました。

経済関係

2019年の日本の対アンドラ貿易は、輸出額が2300万円、輸入額が330万円程度と、アンドラの国家規模を反映して小規模です。主要な輸出品は鏡・レンズ類やアルミニウム製品で、輸入品目はサージ防護機器や音響メディアなどです。

2018年には、日本と欧州連合の間で経済連携協定が締結されました。アンドラはEU加盟国ではないものの、EU加盟国に囲まれており、通貨もユーロを使用していることから、経済的にはEUと一体化しています。そのため、モナコやサンマリノと同様に、特例としてEUと同様の税率が適用されます。

まとめ

日本とアンドラは、地理的、歴史的な背景から、交流の歴史は浅いですが、民主主義や自由主義といった共通の価値観を持つ友好国です。今後の両国関係の発展が期待されます。

脚注

アンドラ公国（Principality of Andorra）基礎データ　外務省

関連項目

日本の国際関係
アンドラの国際関係

外部リンク

在アンドラ日本国大使館、同 （フランス語）

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