日本とエルサルバドルの関係

日本とエルサルバドルの関係

日本とエルサルバドルは、共にアジア中南米協力フォーラム（FEALAC）に加盟する国です。エルサルバドルは、その地形の狭さや資源の少なさにもかかわらず、勤勉な国民性から「中米の日本」と呼ばれることもあります。ここでは、両国の関係について、歴史、経済協力、人的交流などの側面から詳しく見ていきましょう。

歴史

1934年、エルサルバドルは、革命指導者マクシミリアーノ・エルナンデス・マルティネス率いる政権を支持し、満州国を日本に次いで2番目に承認しました。翌1935年には、初代駐エルサルバドル日本公使である堀義貴が着任し、正式な外交関係が樹立されました。

第二次世界大戦後、1952年5月6日に国交が回復しました。1956年には、日本の大手紡績会社であった呉羽紡績（現東洋紡）が、エルサルバドルの実業家と協力して、戦後初の海外進出工場を設立しました。この進出は、後の日本企業の海外展開の先駆けとなりました。1966年には、呉羽紡績の合併によりユサ社が誕生しました。

エルサルバドルへの貢献を称え、同国政府は首都サンサルバドルに、平生三郎の名前を冠した約5万平方メートルのサブロー・ヒラオ公園を建設しました。この公園には、日本庭園や植物園が整備されており、両国の友好の象徴となっています。また、エルサルバドルは、海外初のトヨタ自動車販売店が開設された国でもあります。

1970年、フィデル・サンチェス・エルナンデス大統領は3度目の訪日中に、佐藤栄作首相との会談後、記者会見で日本とエルサルバドルの類似点を指摘しました。

しかし、1978年には、日本企業とエルサルバドル政府が共同出資したINSINCA社の社長が武装ゲリラに誘拐・殺害される事件が発生しました。また、同年末には同社の別の役員も誘拐されるなど、治安が悪化しました。これにより、1980年から1992年までの12年間、日本大使館は閉鎖されました。

経済協力・貿易

日本は、エルサルバドルに対し経済協力を行っており、2015年から2016年の平均で1238万ドルの援助を提供しています。これは、同国への援助額としては5番目にあたります。

貿易面では、日本からエルサルバドルへの輸出額は約146億円、エルサルバドルから日本への輸出額は約21.6億円です。日本からは主に自動車や鉄鋼製品が輸出され、エルサルバドルからはコーヒーや衣類などが輸出されています。

人的交流

2019年現在、エルサルバドルには142人の日本人が在住しており、2021年現在、日本には150人のエルサルバドル人が在住しています。両国間の人的交流も活発に行われています。

公式訪問

日本の皇族や首相によるエルサルバドル訪問、またエルサルバドル大統領による日本訪問も複数回行われています。

日本の皇族、首相によるエルサルバドル訪問
常陸宮・同妃（2005年）
眞子内親王（2015年、外交関係樹立80周年、日・中米交流年）

エルサルバドル大統領による日本訪問
アルフレッド・クリスティアーニ大統領（1990年、平成時代の天皇即位の礼）
アルフレッド・クリスティアーニ大統領（1993年）
アルマンド・カルデロン大統領（1997年）
アントニオ・サカ大統領（2006年）

在外公館・外交使節

在エルサルバドル日本大使館（サンサルバドル）
駐日エルサルバドル大使館（東京）

両国間には、相互に大使館が設置されており、外交関係が維持されています。また、多くの外交官が両国間で活躍しています。

関連項目

在日エルサルバドル人
平生三郎

外部リンク

在エルサルバドル日本国大使館
駐日エルサルバドル大使館

日本とエルサルバドルは、歴史的なつながりを持ちながら、経済、文化、人的交流など、多岐にわたる分野で友好関係を築いています。今後も両国の関係がより一層発展していくことが期待されます。

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