日本とキリバスの関係
日本とキリバスの関係
日本とキリバスは、太平洋に浮かぶ島国同士として、歴史的にも現代的にも深い関係を築いています。第二次世界大戦中には激戦地となった過去を持ちますが、戦後は経済協力や文化交流を通じて友好関係を深めてきました。
歴史
キリバスの歴史
キリバスの歴史は、紀元前1世紀頃にミクロネシア系の人々がカヌーで渡来したことに始まります。18世紀にはイギリス人探検家ジェームズ・クックが来島し、19世紀にはイギリスの保護領となりました。
太平洋戦争中には、日本軍が一時的にギルバート諸島を占領しましたが、アメリカ軍との激戦の末、アメリカ軍の支配下に入りました。戦後、再びイギリスの植民地となり、1979年にキリバス共和国として独立を果たしました。また、1950年代から1960年代にかけて、一部の島はイギリスとアメリカの核実験場として利用されました。
太平洋戦争
1941年、太平洋戦争が勃発すると、日本軍は戦略上の要地としてギルバート諸島を占領しました。しかし、アメリカ軍はすぐに反撃を開始し、激戦が繰り広げられました。
特に1943年には、タラワとマキンで大規模な戦闘が行われ、多くの犠牲者が出ました。この一連の戦いは「ギルバート・マーシャル諸島の戦い」と呼ばれ、日本軍は敗北し、ギルバート諸島を失いました。
外交史
戦後、日本はキリバスとの外交関係を樹立し、経済協力や人的交流を積極的に進めてきました。
1979年7月、キリバスの独立式典に日本から代表が派遣され、両国間の外交関係が樹立されました。その後、キリバスは日本に大使館を設置し、日本もキリバスに大使館を開設しました。
要人往来
キリバスの要人は、日本との友好関係を重視しており、歴代の大統領が何度も訪日しています。特に、アノテ・トン大統領は親日家として知られ、気候変動問題など様々な分野で日本の協力を求めています。
日本からも、外務副大臣や外務大臣政務官などがキリバスを訪問し、両国間の協力関係を強化しています。
経済交流
日本はキリバスにとって主要な援助国であり、これまで総額250億円以上の経済協力を行っています。
協力分野は、水産、防災、気候変動対策など多岐にわたります。特に、海面上昇による国土水没の危機に瀕しているキリバスにとって、気候変動対策は喫緊の課題です。
日本は、インフラ整備や医療施設の建設など、キリバスの発展に不可欠な支援を提供しています。また、民間レベルでの協力も活発で、マングローブ植林活動などが行われています。
貿易
2019年度の貿易額は、日本の輸出が6.7億円に対し、輸入が7.8億円と、日本はわずかながら赤字です。輸出品は主に食料品で、輸入品はコプラや海藻などです。キリバスにとって、日本は最大の貿易相手国です。
遺骨収集事業
第二次世界大戦の激戦地であったキリバスでは、現在も日本軍兵士の遺骨が発見されており、日本政府は遺骨収集と身元特定に協力しています。両国が協力して、遺骨の返還業務を進めています。
外交使節
参考文献
関連項目
外部リンク
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