日本とギニアビサウの関係

日本とギニアビサウの関係

日本とギニアビサウは、地理的に遠く離れた国であり、歴史的にも異なる背景を持っています。日本は東アジアに位置し、独立を維持してきた一方、ギニアビサウは西アフリカに位置し、ポルトガルによる支配を受けていました。そのため、両国間の文化や経済的な結びつきは、必ずしも強いとは言えません。

歴史

ギニアビサウは1973年に独立を達成しましたが、その過程は長く困難なものでした。1963年から始まった独立戦争は10年にも及び、旧宗主国であるポルトガルは当初独立を認めませんでした。しかし、1974年のカーネーション革命をきっかけに、ポルトガルはギニアビサウの独立を承認。日本もこれを受けてギニアビサウを国家承認し、1974年8月1日に外交関係を樹立しました。

独立後、ギニアビサウは冷戦下で東側諸国に寄った外交政策を進め、国内ではクーデターが頻発するなど、政治的に不安定な状況が続きました。そのため、日本との交流も進展しませんでしたが、1990年前後から複数政党制へと移行し、西側諸国との関係を重視するようになってから、両国間の関係は徐々に進展し始めました。現在でも、治安の問題や交流の少なさから、両国はそれぞれ大使館を設置しておらず、日本はセネガルにある大使館が、ギニアビサウは中国にある大使館が、それぞれ兼轄しています。

外交

日本とギニアビサウは、地理的な距離や歴史的な背景から、緊密な関係とは言えません。両国間の貿易や民間交流も多くはありません。しかし、近年では要人往来や経済協力などを通じて、関係の強化が図られています。日本からは、2016年に日本・アフリカ連合友好議員連盟のメンバーがギニアビサウを訪問したことがあります。また、ギニアビサウからは、1989年以降、大統領や首相をはじめとする要人が複数回訪日しています。2019年には、アリスティデス・ゴメス首相が安倍晋三首相と首脳会談を行い、日本企業によるギニアビサウへの投資促進などについて話し合われました。

経済関係

両国間の貿易額は非常に少なく、2019年のギニアビサウから日本への輸出額はわずか2,120ドル、日本からの輸入額は132万ドルにとどまっています。ギニアビサウの主な輸出品は魚介類で、日本からの主な輸入品はゴム製品、食料品、化学製品です。貿易額は少ないものの、日本はギニアビサウに対して政府開発援助（ODA）を実施しており、漁業施設建設や小学校建設など、様々な分野で支援を行っています。特に、「トンバリ州零細漁業施設建設計画」や「ビサウ市小学校建設計画」は、ギニアビサウの社会基盤整備に大きく貢献しています。さらに、食糧支援や医療支援など、人道的な支援も行われています。一方で、2019年時点でギニアビサウに進出している日本企業は存在しません。

学術研究

1996年には、鳥羽水族館がギニアビサウでアフリカマナティーの調査を実施し、2頭のマナティーを日本に輸送しました。そのうちの1頭「かなた」は現在も鳥羽水族館で飼育されており、貴重な研究対象となっています。

文化交流

2020年の東京オリンピックでは、ギニアビサウ選手団が岡山県総社市をホストタウンとして利用し、事前合宿を実施しました。この交流をきっかけに、総社市の小中学校ではギニアビサウに関する教育が行われ、オリンピック終了後には未使用の文房具がギニアビサウの子供たちに贈られるなど、交流が深まっています。

外交使節

日本はギニアビサウに大使館を設置しておらず、在セネガル日本国大使館が兼轄しています。一方、ギニアビサウは日本に大使館を設置しておらず、在中国ギニアビサウ大使館が兼轄しています。

まとめ

日本とギニアビサウの関係は、地理的な距離や歴史的背景から、経済や文化交流は限定的です。しかし、日本はギニアビサウに対し、インフラ整備や人道支援など、様々な分野で協力を行っています。両国間の関係は、今後さらに発展していくことが期待されます。

参考資料
外務省: ギニアビサウ共和国基礎データ
その他、関連するウェブサイト

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