日本とコソボの関係

日本とコソボの関係

日本とコソボの関係は、2008年2月17日のコソボの独立宣言と、同年3月18日の日本の承認によって正式に始まりました。この承認は、アジアにおいてアフガニスタン、トルコに次ぐ3番目のものであり、日本がコソボの独立をいち早く支持したことを示しています。両国は2009年2月25日に外交関係を樹立し、相互の協力関係を築いてきました。

歴史

コソボ紛争と日本の支援

1990年代後半のコソボ紛争時、緒方貞子国連難民高等弁務官はコソボにおける人道危機を訴え、多くの民間人が暴力と虐待に苦しんでいる状況を報告しました。日本政府は、この状況を受けて、1999年4月に国連難民高等弁務官事務所（UNHCR）などの国際機関や、難民を受け入れている周辺国への支援を表明し、コソボの平和と復興に向けて積極的に関与しました。

独立承認と大使館開設

コソボが2008年に独立を宣言した後、日本は迅速にこれを承認しました。2010年7月16日には東京にコソボ大使館が開設され、両国間の外交関係が強化されました。一方で、日本は2020年1月1日までコソボの首都プリシュティナに大使館を置いていませんでした。しかし、2018年1月に当時の安倍晋三首相が提唱した西バルカン協力イニシアティブの一環として、2020年にプリシュティナに日本大使館が開設されました。これにより、両国間の関係はさらに緊密になりました。

要人往来

日本からコソボへの訪問

両国間の関係強化のため、多くの日本の要人がコソボを訪問しています。以下は主な訪問者です。

1999年12月: 河野洋平外務大臣
2005年4月: 小野寺五典外務大臣政務官
2006年5月: 山中燁子外務大臣政務官
2009年9月: 浜田和幸外務大臣政務官
2018年2月: 堀井学外務大臣政務官
2019年2月: 阿部俊子外務副大臣

コソボから日本への訪問

コソボからも多数の要人が日本を訪問し、両国間の交流を深めています。以下は主な訪問者です。

2004年4月: バイラム・レジェピ首相
2011年12月: エンヴェル・ホジャイ外務大臣、ダルダン・ガシ環境・空間計画大臣
2012年6月: ハシム・サチ首相、エンヴェル・ホジャイ外務大臣、ラマ・ブヤ教育科学技術大臣、ベドリ・ハムザ財務大臣
2013年9月: ベルナルド・ニカイ貿易・産業副大臣、ヴァルドリン・ルカ投資促進庁長官
2013年10月: ラマ・ブヤ教育科学技術大臣
2014年4月: ハシム・サチ首相、ベシム・ベカイ財務大臣、ベルナルド・ニカイ貿易・産業大臣
2018年3月: ベフジェット・パッツォーリ第一副首相兼外務大臣、ヴァルドリン・ルカ経済開発大臣
2019年3月: カドリ・ヴェセリ議長
2019年9月: ハシム・サチ大統領
2019年10月: ハシム・サチ大統領
2021年7月: ヴィヨサ・オスマニ大統領

スポーツ交流

柔道

日本発祥の武道である柔道は、コソボでも非常に人気があります。コソボ柔道連盟は2012年に国際柔道連盟に加盟し、コソボの選手たちは国際舞台で活躍しています。特に、マイリンダ・ケルメンディ選手は、2016年リオデジャネイロオリンピックでコソボ初の金メダルを獲得し、コソボのスポーツ史に大きな足跡を残しました。また、2021年の東京オリンピックでは、ディストリア・クラスニキ選手が金メダルを獲得し、コソボにとって2つ目のオリンピック金メダルとなりました。

外交使節

駐コソボ日本大使

日本はプリシュティナに大使館を設置し、外交官を派遣しています。

駐日コソボ大使

東京のコソボ大使館には、以下の大使が着任しました。

サミ・ウケリ（2010～2012年）
アフメト・シャラ（2012～2014年）
レオン・マラゾーグ（2016～2020年）
サブリ・キチマリ（2022年～）

これらの大使は、両国間の外交関係を円滑にするために重要な役割を果たしています。

関連項目

日本の国際関係
コソボの国際関係
日本とセルビアの関係
日本とユーゴスラビアの関係
日本・コソボ友好議員連盟

外部リンク

在コソボ日本国大使館
駐日コソボ大使館

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