日本とドミニカ国の関係
日本とドミニカ国の関係
日本とドミニカ国の関係は、1978年11月3日のドミニカ国がイギリスから独立した際に、日本が同国を承認したことから始まりました。同年12月11日には外交関係が樹立されました。当初、在トリニダード・トバゴ日本国大使館がドミニカ国を兼轄していましたが、2016年5月には初の在ロゾー名誉総領事が任命され、交流が深化しています。ただし、ドミニカ国は日本に大使館や領事館を設置していません。
両国の関係
地理的な距離や歴史的な繋がりの浅さから、両国の外交関係は緊密とは言えません。ドミニカ国は、アメリカやイギリスとの友好関係を維持しつつ、カリブ共同体（CARICOM）などの地域機構にも積極的に参加しています。また、2004年には台湾と断交し中国と国交を結ぶなど、新興大国との関係も重視しています。
要人往来
日本からの大臣級の訪問はありませんが、ドミニカ国側からは、1990年に当時の大統領が日本の即位の礼に参列したのを皮切りに、首相が複数回訪日しています。これらの訪問を通じて、水産分野における協力や、安保理改革における協力関係が確認されています。
経済と開発援助
経済面では、日本は2016年までにドミニカ国に対し累計80億円以上の援助を実施しており、最大の開発援助国となっています。ドミニカ国はハリケーンによる被害を頻繁に受けており、日本は緊急支援を度々実施しています。1989年にはハリケーン・ヒューゴ、1995年にはハリケーン・ルイスによる被害に対し、緊急無償資金協力を実施しました。また、2015年にはトロピカルストーム・エリカによる被害に対しても、緊急援助物資や無償資金協力を行っています。
さらに、2015年には日本の援助によって、首都ロゾーとマリゴットに水産センターや漁港が整備されました。これらの施設は、2017年のハリケーン・マリアによって一部が損壊しましたが、その修繕のためにも日本が再び援助を行っています。その他、ポーツマスの水産センター整備、災害復興関連機材の提供、気候変動対策支援なども行われています。
貿易に関しては、2018年のドミニカ国の対日輸出は7875億円である一方、輸入は9億円と大幅な赤字となっています。主な輸出品目は衣類、履物、カカオ豆です。2018年には7トンのカカオ豆を日本に輸出しました。一方、ドミニカ国が日本から輸入している主な品は自動車です。
まとめ
日本とドミニカ国の関係は、地理的な距離や歴史的な背景から、必ずしも緊密とは言えません。しかし、日本はドミニカ国にとって最大の開発援助国であり、経済援助や災害支援を通して、両国間の協力関係が維持されています。今後も、両国間の友好関係が継続・発展していくことが期待されます。
参考文献
関連項目
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