日本とナウルの関係

日本とナウルの関係

日本とナウルの関係は、歴史、経済、文化など多岐にわたる側面を持っています。両国間の関係は、第二次世界大戦中の日本軍によるナウル占領という負の歴史から始まりましたが、ナウルの独立後には新たな関係が築かれてきました。

歴史

日本軍による占領

1942年8月、第二次世界大戦中に日本軍がナウル島を占領しました。この占領により、1200人もの島民がトラック諸島へ強制連行され、多くの犠牲者が出ました。この出来事は、両国間の歴史において重要な出来事として記憶されています。

ナウルの独立後

ナウルは1968年1月31日にイギリス、オーストラリア、ニュージーランドの信託統治から独立しました。独立後、ナウルは1971年に在東京ナウル領事館を開設し、日本との外交関係をスタートさせました。日本側は、在フィジー日本国大使館がナウルを兼轄しており、非常駐の在大使館を置いています。

1980年代初頭まで、ナウルはリン鉱石の採掘によって経済的に繁栄していました。国民の所得水準も高く、ナウル航空が鹿児島空港と那覇空港への直行便を運航し、観光目的で日本との人的交流が盛んに行われました。当時、ナウルの国民一人当たりのGNPは日本の2倍近くありました。

しかし、リン鉱石の枯渇によりナウルの経済状況が悪化すると、日本への観光需要は減少し、直行便も廃止されました。1989年には、ナウルのハマー・デロバート大統領が日本を訪問しましたが、同年9月には政府の財政上の理由から在東京ナウル領事館を閉鎖しました。翌年の1990年には大統領夫妻が再び日本を訪問しましたが、その後は要人往来などの小規模な国交関係が続きました。

1997年以降は、日本が主催する太平洋・島サミットにナウルも参加しており、定期的な外交の場となっています。

ナウル共和国政府観光局日本事務所

2020年10月1日、ナウル共和国政府観光局日本事務所が設立されました。同日開設されたTwitterアカウントは、開設後1週間で2万フォロワーを超えるなど話題を呼びました。現在では、50万フォロワーを超える人気アカウントとなっています。しかし、ナウルの国番号（+674）から始まる詐欺電話が日本国内で問題となっており、Twitterアカウントでも注意喚起を行っています。

外交使節

駐ナウル日本大使: 在フィジー日本大使が兼轄
駐日ナウル大使: なし

脚注

注釈

出典

参考文献

石森秀三、青木公 著「ナウル」、下中直人編 編『世界大百科事典 21』平凡社、2007年9月1日。
田辺裕「ナウル」『世界地理大百科事典5 アジア・オセアニアII』朝倉書店、2002年3月10日。ISBN 4-254-16665-6。
リュック・フォリエ 著、林昌宏 訳『ユートピアの崩壊 ナウル共和国』新泉社、2011年2月10日。ISBN 978-4-7877-1017-8。
堀武昭「ナウル」『対日関係を知る事典』（新版）平凡社、2007年11月21日。ISBN 978-4-582-12637-2。

関連項目

日本の国際関係
在フィジー日本国大使館 - ナウルを兼轄

外部リンク

日本国外務省 - ナウル
ナウル共和国政府観光局日本事務所
* 日本ナウル協会 (@nauru_jp) - X（旧Twitter）

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