日本とペルーの関係

日本とペルーは、太平洋を挟んで遠く離れた国同士ですが、歴史的なつながりがあり、経済、文化など様々な分野で交流を深めています。この記事では、両国関係の歴史、政治、経済、文化などについて詳細に解説します。

歴史

初期の関係

日本とペルーの最初の接触は、スペインがペルーを統治していた時代に遡ります。スペインの商人や宣教師が、メキシコのアカプルコやフィリピンのマニラを経由して交易を行っており、その中で日本とペルーは間接的な繋がりを持ちました。19世紀半ばにペルーがスペインから独立し、日本が開国したことで、両国は直接的な交流を持つようになります。

マリア・ルス号事件

1872年、ペルー船「マリア・ルス」号が、中国人を労働者として運搬中に横浜港に寄港しました。船内で虐待を受けていた中国人労働者が逃亡したことをきっかけに、日本の当局は船内を調査し、非人道的な状況を確認しました。この事件を契機に、日本とペルーは外交関係を樹立することになり、1873年に日秘修好通商航海条約が締結されました。

日本人移民

1899年、790人の日本人移民がペルーに渡り、主に農園で働きました。20世紀初頭までに、約23,000人の日本人がペルーに移住しました。しかし、第二次世界大戦中には、ペルー国内で日本人に対する迫害が起こり、多くの日系人が財産を失いました。戦後、両国は国交を回復し、交流を再開しました。

マチュピチュと野内与吉

福島県大玉村出身の野内与吉は、1917年にペルーに移住し、マチュピチュへの鉄道建設に携わりました。彼はマチュピチュの発展に貢献し、その功績を称えて、大玉村とマチュピチュ村は友好都市提携を結んでいます。

アルベルト・フジモリ大統領

1990年、日系人のアルベルト・フジモリがペルーの大統領に就任しました。しかし、フジモリ大統領の就任後、ゲリラ組織による日本人や日系人への襲撃事件が発生しました。1996年には、リマの日本大使公邸がゲリラに占拠されるという事件も発生しました。フジモリ大統領は、汚職疑惑により、2000年に大統領を辞任し、日本に亡命しました。

フジモリ以降

1990年代以降、日本は入国管理法を改正し、多くの日系ペルー人が日本へ帰国しました。現在、日本にはラテンアメリカ系で2番目に大きい日系ペルー人コミュニティが存在します。2013年には、日本とペルーは国交樹立140周年を祝いました。

政治

両国は、アジア太平洋経済協力（APEC）、環太平洋パートナーシップ協定（CPTPP）、アジア中南米協力フォーラム（FEALAC）などの多国間枠組みの中で、協力関係を築いています。両国間では、首脳会談や閣僚級会合が頻繁に行われ、政治、経済、文化など幅広い分野で意見交換が行われています。

経済

日本とペルーは、経済面でも密接な関係にあります。日本はペルーにとって重要な貿易相手国であり、ペルーからは主に銅、魚粉、銀、亜鉛などを輸入し、日本からは自動車、自動車部品、タイヤ、鉄鋼などを輸出しています。また、日本企業によるペルーへの投資も活発です。2010年には、両国間で経済連携協定が締結され、貿易、投資関係がさらに強化されています。

文化

両国間では、文化交流も盛んに行われています。ペルーでは、日本のアニメや漫画が人気を集めており、日本文化を紹介するイベントも開催されています。また、日本でもペルーの音楽や料理が紹介され、両国の文化交流が深まっています。ペルーには、ペルー日本人移住史料館「カルロス・千代照平岡」があり、日本人のペルーへの移住の歴史を伝えています。

公式訪問

両国間では、皇族や首相、大統領による公式訪問が頻繁に行われています。日本の皇族や首相は、ペルーを訪問し、ペルーの大統領も日本を訪問しています。これらの訪問を通じて、両国間の友好関係が強化されています。

在外公館

- 在ペルー日本大使館: リマ
- 駐日ペルー大使館: 東京
- 在東京ペルー総領事館: 東京
- 在名古屋ペルー総領事館: 名古屋

まとめ

日本とペルーは、歴史的な繋がりを持ち、政治、経済、文化など様々な分野で密接な関係を築いています。両国は、今後も友好関係を維持し、協力関係をさらに発展させていくことが期待されます。

外部リンク

- 在ペルー日本国大使館
- 駐日ペルー大使館

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