日本とメキシコの関係

日本とメキシコの関係

日本とメキシコの関係は、16世紀にまで遡る長い歴史を持っています。両国は太平洋を挟んで位置していますが、歴史的なつながりがあり、現在では経済や文化面で重要なパートナーとなっています。

歴史的背景

16世紀、スペインがメキシコを統治していた時代、両国の関係は間接的に始まりました。当時、メキシコはヌエバ・エスパーニャ副王領としてスペイン帝国の支配下にあり、マニラとアカプルコを結ぶ貿易ルートを通じて、日本との交流が生まれました。日本の貿易商はマニラでスペインと交易を行い、その品々はメキシコを経由してヨーロッパへと運ばれていました。

また、同時期にはメキシコ出身の宣教師が日本で布教活動を行い、文化的な交流も行われました。1609年には、スペインのガレオン船が現在の千葉県沖で座礁し、乗員が日本で保護される事件が発生しました。その後、スペインは使節を派遣し、日本に感謝の意を伝えています。1613年には、伊達政宗が派遣した慶長遣欧使節がメキシコを経由してスペインを訪れましたが、その後の日本の鎖国政策により、両国間の公式な関係は一時途絶えました。

19世紀には、日本の船がメキシコ沖で遭難し、乗組員が救助される出来事がありました。その後、鎖国が解かれると、1874年にメキシコの科学者が金星の太陽面通過観測のため日本を訪れ、両国間の外交関係が再開されました。1888年には、日墨修好通商条約が締結され、日本にとってはアジア以外の国と結んだ初の平等条約となり、メキシコにとってもアジアの国と結んだ初の条約となりました。この条約は、両国が互いを対等な国家として認めた重要な出来事でした。

第二次世界大戦中には、メキシコが枢軸国に宣戦布告したため、両国間の国交は一時断絶しましたが、終戦後には関係が回復し、現在まで友好的な関係が続いています。

現代の両国関係

2005年には、日本・メキシコ経済連携協定が締結され、貿易関係が大きく発展しました。現在、日本はメキシコへ主に自動車部品を輸出し、メキシコからは電気機器や科学光学機器を輸入しています。両国は、環太平洋パートナーシップ協定（TPP）にも加盟しており、経済的な連携をさらに深めています。

政治面では、メキシコ大使館が東京都千代田区永田町に位置しており、これは両国が平等条約を結んだことへの敬意の表れとされています。これは、メキシコがアジア以外の国と初めて平等条約を結んだ相手国であり、その歴史的な経緯を尊重した結果です。

外交使節

両国は、それぞれ大使館を設置し、外交関係を円滑に進めています。メキシコには日本大使館が、日本ではメキシコ大使館がそれぞれ活動しています。また、過去には多くの大使が両国間を行き来し、相互理解を深めてきました。特に、駐日メキシコ大使は、1950年代から現在に至るまで、多くの人物がその任に当たってきました。

貿易

経済連携協定の締結以降、両国間の貿易は大幅に拡大しました。日本はメキシコにとって重要な貿易相手国の一つであり、メキシコもまた日本にとって重要な貿易パートナーです。この貿易関係は、両国の経済発展に大きく貢献しています。

その他の関連事項

歴史的なつながりとして、榎本武揚がメキシコに殖民団を送ったことや、日本の巡洋艦がメキシコで座礁した事件など、様々な出来事がありました。これらの出来事は、両国間の歴史的なつながりを物語っています。

両国は、今後も様々な分野で協力し、より強固なパートナーシップを築いていくことが期待されます。

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