日本とヨルダンの関係

日本とヨルダンの関係

日本とヨルダンは、1954年の国交樹立以来、一度も途絶えることなく友好関係を継続しています。両国は、政治、経済、文化など、多岐にわたる分野で協力関係を深めてきました。

歴史的背景

ヨルダン地域は、古代から文明が栄えた場所であり、メソポタミア文明と深く関わっていました。ペトラ遺跡に代表されるように、古代から交易の中継地として重要な役割を果たしてきました。この地域は、新バビロニア、ナバテア王国、ローマ帝国、イスラム諸王朝など、様々な勢力によって支配されてきました。

第一次世界大戦後、オスマン帝国の支配下にあったこの地域は、イギリスによって占領され、委任統治領となりました。1921年、イギリスはヨルダン川以東を分離し、ハーシム家が統治するトランスヨルダン首長国を設立しました。1946年、トランスヨルダンはイギリスから独立し、トランスヨルダン・ハシミテ王国となりました。1950年には、国名をヨルダン・ハシミテ王国に改称しました。

国交樹立と両国関係の発展

1954年、日本とヨルダンは国交を樹立しました。1974年には、それぞれの大使館が設置され、両国間の外交関係が本格化しました。1976年には、フセイン国王が国賓として来日し、昭和天皇や三木首相と会談しました。この会談では、中東和平や国際協力について意見交換が行われ、両国関係の強化が確認されました。また、両国首脳は、イスラエル軍の占領地からの撤退、領土保全の尊重、パレスチナ人の権利尊重など、中東問題に関する重要な事項について合意しました。

その後、両国間では、技術協力協定（1985年）、航空協定（1995年）、査証手数料相互免除協定（1997年）などが締結され、交流が促進されました。1999年には、アブドゥッラー2世国王が即位後初めて国賓として来日し、皇居での宮中晩餐会に招かれました。2012年には、原子力協定が発効し、エネルギー分野での協力も始まりました。

2015年、安倍晋三首相は、ヨルダンを支援し、ISIL（いわゆる「イスラム国」）と戦う周辺国を支援する方針を表明しました。これは、日本が国際社会の一員として、テロ対策に積極的に関与する姿勢を示したものです。

2019年には、フセイン王太子が今上天皇の即位礼正殿の儀に参列しました。

要人往来

ヨルダン王室からの訪日回数は多く、フセイン1世国王は4回、アブドゥッラー2世国王は13回、ハッサン王子は6回、フセイン王太子は1回、日本を訪問しています。これらの訪問は、両国間の友好関係を象徴するものです。

外交使節

日本は、ヨルダンの首都アンマンに大使館を設置しています。一方、ヨルダンは、東京都渋谷区に大使館を設置しています。

過去には、台北のヨルダン大使館が日本を兼轄していた時期もありました。初代駐日ヨルダン大使は、1974年に着任したアーミル・シャンムート氏です。その後、数多くの大使が日本とヨルダンの外交関係を支えてきました。

現在の駐日ヨルダン大使は、リーナ・アンナーブ氏です。

関連項目

日本の国際関係
ヨルダンの国際関係
在ヨルダン日本国大使館
駐日ヨルダン大使館

外部リンク

在ヨルダン日本国大使館
在ヨルダン日本国大使館（英語）

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