アブドゥッラー2世

アブドゥッラー2世・ビン・アル＝フセイン

アブドゥッラー2世（Abdullah II bin Al-Hussein）は、1962年に生まれ、1999年からヨルダン国王として君臨しています。彼はイスラム教の開祖ムハンマドの血筋を引くハーシム家の出身であり、父はヨルダンの国王フセイン1世です。アブドゥッラー国王の生涯は、教育、家族、そして王としての責任に満ちています。

経歴

アブドゥッラーは、生まれた直後に王太子に指名されましたが、その後、叔父のハッサン王太弟に王位継承権が移ります。4歳からイギリスに留学し、教育を受けた後、1981年にはサンドハーストの英陸軍士官学校を卒業。その後もオックスフォード大学で国際政治を学び、さらにジョージタウン大学で国際関係論の修士課程を修了しました。

1993年には、クウェート出身のラーニアと結婚し、2男2女の子どもをもうけています。1999年には、父の崩御に伴い国王として即位し、ヨルダンの最高司令官として国軍を率いています。

その後の彼の生活には、国の資安や課題への取り組みが含まれています。特に、2009年のアフガニスタンでの自爆テロ事件により、いとこのSharif Ali bin Zeid大尉を失ったことは、国王としての重責を感じさせる出来事でした。

政治活動と国民との関わり

アブドゥッラー国王は、国民の声を直接聞くために一般市民に変装することがあり、病院や公共の場で人々と接することを重要視しています。また、彼は自ら車を運転し、外国の要人を迎えに行くこともしばしばであり、これらの行動は彼の親近感を醸し出しています。

2006年には、日本の首相小泉純一郎がヨルダンを訪れた際、国王自らが運転する車で送迎する様子が報道されました。このように、アブドゥッラー国王は王族や公人としての距離を縮める努力を続けています。

趣味と多方面での活動

アブドゥッラー国王は、スポーツや映画に強い関心を持ち、特にスカイダイビングやラリーを好むようです。さらに、彼は映画業界にも興味を持ち、紅海沿いのアカバに映画芸術研究所を設立しました。このような多才な側面は、国王としての公共の役割と共に彼の個人的な趣味でもあります。

ハムザ問題と現在の状況

近年では、異母弟であるハムザを国家の安定を脅かす行動があったとして、一時的に軟禁する事態もありました。しかし、ハムザが国王への忠誠を誓ったことから解放され、その後もヨルダンの内部政治の安定化に努めています。

2022年には、日本の安倍晋三元首相の国葬に参加するなど、国際的な場にも顔を出しており、国外でのヨルダンの代表として活動しています。

結論

アブドゥッラー2世国王は、教育を受けたリーダーであり、国の治安に尽力し、国民と密接に関わる姿勢を持つ王です。彼の治世は、国際関係の変化にも対応しながら、ヨルダンの発展と安定のために多方面で努力しています。

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