日本の歴史公園100選

日本の歴史公園100選について

日本の歴史公園100選は、2006年（平成18年）に都市公園法制定50周年を記念して、国土交通省の「都市公園法施行50周年等記念事業実行委員会」によって選定されました。この選定事業は、単に公園を選ぶだけでなく、歴史的・文化的資源の保存・継承・活用、観光振興、地域社会の活性化に貢献することを目的としています。

選定の背景

都市公園法制定50周年という節目に加え、1966年（昭和41年）に制定された古都保存法が40周年を迎えたことも、この事業が実施される大きな要因となりました。過去には1989年（平成元年）に日本公園緑地協会が「日本の都市公園100選」を選定しましたが、これは公園に対する愛護意識を高めることが目的であり、運動公園や動植物公園など幅広い種類の都市公園が対象でした。一方、「日本の歴史公園100選」は、歴史的・文化的資源を重視し、地方公共団体からの推薦に基づいて選定されました。

選定プロセス

選定にあたっては、まず3つの選定基準・基本方針が示され、都道府県・市区町村からの推薦を受け付けました。一次選定では195件の推薦があり、112件が選ばれましたが、その結果、城や城跡が中心となり、古代や近代の公園が少ないこと、地域的な偏りが大きいことが課題として残りました。そのため、選考委員会はより多様な歴史公園を選定するため、二次募集を実施。その結果、138の公園が追加選定され、合計250の公園が「日本の歴史公園100選」として選ばれることとなりました。

選定地の特色

選定された公園は、その特色によって以下のような種類に分けられます。

史跡の敷地を活用した公園：城跡公園（五稜郭公園、大阪城公園など）、庭園公園（浜離宮恩賜庭園、相楽園など）
史跡周辺を公園として保護している公園：さきたま古墳公園、奈良公園など
大型遺物を移転展示するために新設された公園：三笠公園、石橋記念公園など
敷地内から遺跡が発掘された公園：青森県総合運動公園、舞鶴公園など
史跡に隣接し観光拠点となる公園：小坂中央公園、甘楽総合公園など
公園自体が地域文化を醸成する公園：日比谷公園、平和記念公園など
文学・芸術の舞台として継承されてきた公園：浜寺公園、和歌公園など
自然が保全されている公園：天橋立公園、箕面公園など
皇室御苑であった国民公園：新宿御苑
保存・展示施設として整備された史跡：下宅部遺跡はっけんのもり、岡城跡など
史跡・伝承に関わる自然公園内の広場：鳥見山公園など

選定では、史跡の重要度よりも公園施設の充実度が重視されたため、著名な史跡であっても、都市公園として整備されていない公園は選定から漏れています。例えば、大森貝塚庭園、板付遺跡公園、犬山城、皇居外苑などは、その例として挙げられます。

選定結果

選定された公園は、以下の通りです。

第1次選定公園

北海道地方：函館公園、五稜郭公園など
東北地方：盛岡城跡公園、鶴ヶ岡公園など
関東地方：水戸城址公園、小田原城址公園など
中部地方：高田城址公園、金沢城公園など
近畿地方：大阪城公園、姫路城跡公園など
中国地方：岡山後楽園、広島城址公園など
四国地方：丸亀城跡公園、栗林公園など
九州・沖縄地方：熊本城公園、首里城公園など

第2次選定公園

北海道地方：大沼公園、函館公園など
東北地方：弘前公園、仙台城跡など
関東地方：上野恩賜公園、国営武蔵丘陵森林公園など
中部地方：松本城公園、兼六園など
近畿地方：二条城、奈良公園など
中国地方：鳥取城跡、松江城跡など
四国地方：高知城公園、松山城公園など
九州・沖縄地方：大濠公園、吉野ヶ里遺跡など

関連事項

都市公園法
百選
日本の都市公園100選

まとめ

日本の歴史公園100選は、日本の歴史や文化を伝える貴重な場所です。この選定を機に、各公園の魅力が広く知られ、地域活性化に繋がることを期待します。ぜひ一度、訪れてみてください。

もう一度検索