日本はきもの博物館

日本はきもの博物館（にほんはきものはくぶつかん）は、広島県福山市松永町に設立された、履物をテーマとする博物館です。1886年に開館し、長い間地域の文化を伝える役割を果たしましたが、2013年に閉館を迎えました。

この博物館は、JR西日本の松永駅から南東に徒歩5分の位置にあり、同じ敷地内には日本郷土玩具博物館も併設されていました。運営は財団法人遺芳文化財団が担い、履物に関する多彩な展示を行っていました。特に、松永の地はかつて塩田が広がっており、製塩の燃料として木材が使用されていました。この木材を利用して製造される下駄が地域産業の発展の一因となり、松永の下駄は日本全国でも高いシェアを持っていたことで知られています。

1978年、丸山茂助（後のマルヤマ商店）が下駄づくりを始めてから100周年を記念し、博物館が設立されました。館長は丸山茂樹氏、主任学芸員は潮田鉄雄氏が務め、その運営に尽力しました。

博物館内の施設は、マルヤマ商店の事務所や下駄工場を活用し、かつてあった貯木場を含む展示エリアが設けられていましたが、都市開発の影響で水路は埋め立てられました。また、この博物館は日本で唯一の履物に特化した博物館であり、260点以上の国の重要有形民俗文化財を含む約13,000点の履物が収蔵されていました。古代エジプトのサンダルから宇宙服用の靴、スポーツ選手が使用した靴まで、幅広い時代や国の履物が展示されていました。

さらに、博物館内にはかつての下駄工場を再現した作業小屋や、著名な芸術家岡本太郎による足あと広場も設置されており、来訪者に多くの学びと体験を提供しました。

しかし、訪問者の減少や収益の悪化、加えて建物の耐震性の問題が報告され、2013年11月24日に博物館は閉館となりました。閉館後、福山市は博物館の収蔵品を引き継ぎ、整理を行った結果、2015年には新たに福山市松永はきもの資料館（あしあとスクエア）が開業しました。この新しい施設も地域の履物文化を継承し続けています。

所在地

- 広島県福山市松永町四丁目16番27号

開館日・見学料

- 開館時間: 午前9時〜午後5時
- 休館日: 12月28日〜1月1日
- 入館料金（二館共通、個人料金）

- 一般: 1,000円
- 大学・専門学校生: 800円
- 中学・高校生: 600円
- 幼児・小学生: 400円

交通アクセス

- JR西日本松永駅下車、徒歩5分
- 山陽自動車道福山西インターチェンジから車で約10分

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