日本を守る国民会議

日本を守る国民会議

日本を守る国民会議（にほんをまもるこくみんかいぎ）は、1981年に設立された改憲を志向する保守団体であり、日本会議の前身として知られています。この団体は「元号法制化実現国民会議」を基に発足し、日本の憲法や教育に対する姿勢を強化することを目的としていました。

発足の背景

この団体の起源は1978年7月18日、元最高裁長官である石田和外の呼びかけにより設立された「元号法制化実現国民会議」にさかのぼります。石田は初代議長に就任し、日本を守る会と共に元号法の実現に向けて活動しました。1989年に元号法が施行されると、この会議はその役割を果たしたものの、解散の動きがありました。しかし、事務総長を兼ねていた副島廣之は解散を惜しみ、団体の新たな目的を「草の根からの憲法改正運動」に定め、活動を継続しました。

1981年に全国各地で「日本を守る都道府県民会議」が発足し、組織の運営は生長の家や神社本庁の地方支部を通じて行われました。さらには、教科書問題についても意見を表明し、歴史教科書の編纂に関与しました。特に1982年には、教科書検定の問題に対する懇談会が開催され、その結果発行された「新編日本史」が、中国や韓国から批判を受けることとなりました。

組織の形成と発展

1981年10月27日、元号法制化実現国民会議を改組する形で、日本を守る国民会議が設立されました。設立式はホテルニューオータニで行われ、当時の議長には加瀬俊一、運営委員長には黛敏郎が就任しました。団体には、政財界や文化人、旧日本軍関係者が参加し、論憲や改憲の方針が議論されました。

さまざまな社会的問題に取り組んでおり、特に教育や防衛に関する政策提言を行いました。1986年に発行された「新編日本史」に対する批判が高まる中でも、当団体はその信念を貫きました。

統合と後進

1997年には「日本を守る会」と「日本を守る国民会議」が統合され、日本会議が設立されました。この新組織の初代会長には、黛敏郎が内定していましたが、彼は統合直前に病没しました。日本会議の機関紙であった『日本の息吹』は、その後も日本会議によって発行され続けています。

日本を守る国民会議の活動は、国民に対して憲法改正の必要性を訴えることで日本の国益を守ろうとするものでした。国民の意識を高めつつ、時代の変化に対応した運動を展開し、後の日本会議へと発展を遂げました。

終わりに

日本を守る国民会議は、日本の憲法や国家の基本的な価値観に対する取り組みを通じて、国民の意識や政策に影響を与えました。その後の活動は、今もなお多くの議論を呼ぶ存在となっています。

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