日本を守る会

日本を守る会について

日本を守る会は、1974年4月2日に設立された日本の政治団体であり、特に保守系宗教団体運動の統合の草分け的な存在とされています。設立当初、同会は日本青年協議会や生長の家学生会全国総連合と連携し、元号法制化運動を積極的に展開しました。会は1997年5月30日には「日本を守る国民会議」と合併し、その後「日本会議」としての活動を続けています。

設立の背景

1973年、臨済宗円覚寺派の管長である朝比奈宗源と富岡八幡宮の宮司・富岡盛彦は、伊勢神宮の宿舎での出会いをきっかけに「保守系の宗教団体が結集して愛国運動を行う」というアイデアを発想します。その後、明治神宮の宮司である伊達巽からの協力承諾を得て、具体的な設立準備が進められました。最初に生長の家本部を訪問した際、谷口雅春からはその活動が目的に合致する旨の発言もありました。

同年6月、伊勢神宮にて懇談会を開催し、神社本庁や反共主義の宗教団体が連携する形で運動を広めました。1974年には明治記念館で正式に「日本を守る会」が発足し、その際の基調講演では朝比奈管長が当時の国民の愛国心の低下に言及しました。

設立趣旨と活動

「日本を守る会」の設立意義には、日本民族の愛国心の希薄化や伝統的道徳の否定、また政治的・思想的な革命の脅威を指摘する言葉が見られます。さらに、戦後の風潮を一掃し、倫理国家の再建を目指すことが謳われています。

初代の代表者には、臨済宗管長の朝比奈宗源、曹洞宗管長の岩本勝俊、世界真光文明教団の教祖・岡田光玉などが名を連ねました。事務所は明治神宮会館に設置され、村上正邦や椛島有三が事務局を務めました。

日本を守る会は、1974年には首相官邸で当時の田中角栄首相と面会し、愛国心喚起や国旗・国歌の法制化を求める要望を提出しました。1975年には、明治神宮会館で建国記念の日の奉祝大会を開催し、多くの参加者と共に日の丸を掲げて行進しました。昭和天皇の在位50年記念行事も実施され、約2万人が参加しました。

統合と評価

1997年の「日本を守る国民会議」との合併により日本会議が誕生しました。これにより、国民会議の運動が活性化し、保守系の力を再結集することが図られました。

実際、塚田穂高は、この会の設立が保守系宗教団体の活動を一つにまとめることを目的としていたと評価しています。また、堀幸雄はその活動スタイルが暴力的ではなく、参加者の意見を尊重する組織的なものであったと指摘します。成澤宗男は、結成の背景に、共産党の勢力が増加したことへの危機感を挙げており、さまざまな宗教団体が一つに結束する場であった事を強調しています。

日本を守る会の活動は、しばしば生長の家や明治神宮との関係が強調されますが、地域社会や地方議会とも連携を図り、広い支持を受けてきました。このように、同会は日本の保守的な価値観を堅持し、それを基に国民意識の向上を図る役割を果たしてきたと言えるでしょう。

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