日本イベント産業振興協会

一般社団法人日本イベント産業振興協会（JACE）

一般社団法人日本イベント産業振興協会（JACE）は、日本のイベント産業の健全な発展と創造性の向上を目指して活動する中心的な団体です。イベントの企画立案、制作、運営に携わる企業から、イベントを主催する団体まで、この幅広い分野の多様なプレーヤーが集結して構成されています。その英語名称「Japan Association for the Promotion of Creative Events」の頭文字を取り、一般にJACE（ジェイス）と略称されています。

設立と歩み

本協会は、平成元年（1989年）8月28日に設立されました。設立当初は、通商産業省（現在の経済産業省）の外郭団体として認可を受け、イベント産業の振興を使命としてスタートしました。初代会長には、当時ソニー株式会社会長を務めていた盛田昭夫氏が就任し、設立当初から経済界の重鎮がその舵取りを担ってきました。その後も、サントリー株式会社会長だった佐治敬三氏、日本電気株式会社取締役相談役だった関本忠弘氏、元通商産業省事務次官の福川伸次氏、株式会社ナムコ会長の中村雅哉氏といった各界のリーダーが歴代会長を務め、本協会の社会的な存在意義と影響力を示してきました。現会長は電通会長の石井直氏です。

主な活動内容

JACEは、イベント産業の振興のために多岐にわたる活動を展開しています。その主な取り組みは以下の通りです。

調査研究と情報提供

協会設立間もない1990年には、第1回の海外イベント実態視察調査団を派遣し、それ以降毎年継続して海外の事例を研究しています。また、1991年には業界初の総合的な情報集である「イベントデータブック」を、1999年には「イベント白書」や「イベント用語辞典」をそれぞれ発刊しました。1993年からは国内イベント市場規模の推計結果を毎年公表しており、業界の現状を客観的に把握するための重要な統計データを提供しています。

人材育成と資格制度

イベント業界で働くプロフェッショナルの専門性向上と質の担保は、協会の重要な柱の一つです。1994年には、通商産業大臣（現・経済産業大臣）からイベント業務管理者資格認定事業者として認定を受け、翌1995年から資格認定を開始しました。これは1999年にJACE独自の認定資格となり、業界におけるキャリア形成の一助となっています。さらに1997年にはイベント検定試験を開始し、幅広い知識の普及に努めています。2011年には、スポーツイベントに特化した「スポーツイベント検定」も開始し、専門分野の人材育成にも力を入れています。

振興事業と国際連携

イベントそのものの活性化や、国内外への情報発信も積極的に行っています。1992年から複数回にわたりジャパンエキスポ大賞を実施し、博覧会の成功を支援・表彰しました。2005年には協会設立15周年事業として「日本イベント大賞」を実施し、優れたイベントを表彰しています。2008年からは毎年「イベントJAPAN」を開催しており、業界関係者が集まる展示会・フォーラムとして定着しています。また、イベントの持続可能性に関する国際標準であるISO20121の規格策定に2009年から参画するなど、国際的な動向への対応や情報発信にも努めています。この他、愛知万博への支援や地域イベントのコンサルティング、安全管理に関するフォーラムの開催、ブロードバンド時代の著作権問題に関するセミナーなど、その時々の業界課題にも積極的に取り組んできました。

組織形態の変更

2013年4月には、これまでの社団法人から一般社団法人へと組織形態を移行しました。これにより、より公益性の高い活動を展開し、イベント産業の更なる発展に寄与していくことを目指しています。

JACEは、イベント産業に関わる多様なステークホルダーを結びつけ、調査研究、情報提供、人材育成、そして各種振興事業を通じて、日本のイベント文化の発展と産業としての地位向上に貢献し続けています。

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