日本カンボジア友好協会

日本カンボジア友好協会の概要

日本カンボジア友好協会は、1973年に設立された団体で、日本とカンボジア（民主カンプチア）との友好関係を築くことを目的としていました。しかし、この協会は2018年に解散しました。設立の経緯や活動内容は、カンボジアの政治状況と密接に関連しています。

設立の背景

この友好協会は、カンボジアの当時の国家元首、ノロドム・シハヌークと日本社会党委員長の佐々木更三の合意に基づいて設立されました。当時、カンボジアはロン・ノルによるクーデター政権のもとにあり、シハヌークは中華人民共和国で亡命し、反ロン・ノル運動を展開していました。そのため、設立当初は厳しい政治情勢の中での活動が求められました。

1975年にプノンペンが陥落し、シハヌークと連携したクメール・ルージュがカンボジアを支配することになると、この協会はクメール・ルージュの友好団体としての役割を果たしました。

ポル・ポト政権下での活動

1978年には、協会はクメール・ルージュ政権の副首相イエン・サリの訪日を支援し、歓迎集会を開きました。さらに、佐々木更三を団長とした民主カンプチア訪問団が、当時西側諸国では初めてクメール・ルージュ政権下のカンボジアを訪問する機会も提供しました。

政権崩壊後の取り組み

ポル・ポト政権が崩壊した1979年以降、協会は新たに成立したヘン・サムリン政権を支援し続けました。カンボジアの政治構造が変わる中、協会はポル・ポト派、シハヌーク派、ソン・サン派の三派連合の支援活動を行い、日本国内ではクメール・ルージュのプロパガンダ活動にも携わりました。特に1979年には、民主カンプチアが発行した「黒書」の翻訳出版を支援し、その内容はベトナムによる侵略を非難し、自己の政権正当性を主張するものでした。

1990年代に入ると、協会内のメンバーはカンボジア共和国を「ベトナムの侵略による傀儡政権」と位置づける意見を表明し、カンボジアにおける大虐殺の否認に関する見解を発信しました。

現地での活動と影響

日本カンボジア友好協会の活動は、国内の後方支援にとどまらず、現地でのプロパガンダ用の放送網の構築にも及びました。例えば、1983年にはアンピルに初のアマチュア無線局を設立し、1990年代にもいくつかの放送局を設立するためのボランティアを派遣しました。

解散

しかし、協会の中心的メンバーが相次いで急逝したことにより、2018年に解散を余儀なくされることとなりました。解散時には元国会議員の北村哲男が会長を務めていました。

関連する組織

他にも、同時期に存在した活動としては、ポル・ポト派を支持するカンボジア救援センターやスウェーデンの友好協会などがありました。これらの団体も、カンボジアの情勢に影響されながらさまざまな活動を展開していました。

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