日本キックボクシングリーグ機構

日本キックボクシングリーグ機構 (JKL)

一般社団法人日本キックボクシングリーグ機構、略称JKLは、日本のキックボクシングにおける国内競技連盟です。世界のキックボクシングを統括する組織である世界キックボクシング団体協会（WAKO）に正式に加盟しており、日本国内におけるWAKO唯一の公式な窓口として活動しています。

設立の背景

JKLの設立は、国際的なキックボクシング界の動向と、日本国内の状況が深く関連しています。世界の主要なキックボクシング組織であるWAKOは、競技形式として「K1スタイル」の普及を推進してきました。2007年頃には従来の「タイ・キックボクシング」を「K1スタイル」と改称し、その国際的な地位向上を図ります。WAKO主導のK1スタイルは着実に広がりを見せ、2022年のワールドゲームズではキックボクシングが公式競技としてK1スタイルで実施されました。

さらに、キックボクシングは2028年ロサンゼルスオリンピックの追加種目候補にも選ばれましたが、最終的には採用が見送られました。このような国際的な動きの中で、日本の格闘技界において大きな影響力を持つK-1創始者の石井和義氏は、WAKO会長と会談し、世界のキックボクシング業界のさらなる発展に向けたアドバイザーに就任します。これにより、石井氏は日本におけるWAKOの正式かつ唯一の代表窓口という役割を担うことになりました。

キックボクシングは日本で発祥したと言われるにも関わらず、長年にわたりWAKOに正規加盟する国内競技連盟が存在しないという状況が続いていました。こうした背景と、国際的な潮流への対応、国内における体制整備の必要性から、JKL設立への動きが加速しました。

設立経緯と目的

国際情勢と国内の課題を踏まえ、2023年10月に石井和義氏らが中心となり、日本キックボクシングリーグ機構が設立されました。この設立には、K-1、RISE、シュートボクシング、KNOCK OUTといった日本の主要格闘技プロモーションや、全日本新空手道連盟、全日本キックボクシング連盟、DEEPといった著名な団体の関係者が発起人として名を連ねています。これは、日本のキックボクシング・格闘技界全体が連携して国際舞台を目指そうという強い意思の表れと言えます。

設立翌月の2023年11月には、JKLはWAKOから日本における唯一の国内競技連盟として認められ、一般社団法人格を取得しました。JKLは、WAKOとの日本支部契約に基づき、日本国内におけるアマチュア・キックボクシング競技を統轄し、その運営・管理を担います。主な目的としては、将来有望な青少年選手の育成、世界レベルで戦える日本代表選手の強化と国際大会への派遣、競技者・関係者間のコミュニティ構築、そしてキックボクシング業界全体の活性化とスポーツとしての環境整備、振興への寄与を掲げています。

JKLは、WAKOを頂点とする国際的な組織構造と連携しつつ、将来的には日本オリンピック委員会（JOC）や日本スポーツ協会（JSPO）への加盟を目指すことで、国内におけるキックボクシングのスポーツとしての地位向上を図っています。アマチュア選手の育成から世界大会への派遣までを一貫して行う、国内唯一の公式組織として、その活動を本格的に開始しています。

組織体制

JKLの組織は、アマチュア・キックボクシング日本代表選手選考に関わる全国大会への参加を主体とする各都道府県別の管理運営団体を基盤としています。最高意思決定機関である社員総会および理事会の下に、各都道府県代表者で構成される実行委員会が設置されています。また、運営の透明性と客観性を保つために、JKL社員総会への諮問機関として第三者評価委員会が置かれています。理事長の下には、企画、運営、育成、調査研究などを専門的に行う各種委員会があり、法人運営の実務は事務局が担当しています。これらの多岐にわたる組織が連携し、JKLの運営方針を決定するとともに、日本におけるキックボクシング、そしてスポーツ全体の発展に向けた議論や将来構想の策定、調査、実務を遂行しています。

理念

JKLは2023年12月の本格始動にあたり、以下の三つの理念を掲げました。

世界のキックボクシングの普及
豊かなスポーツ文化の振興
争いがない平和な世界を創る

これらの理念に基づき、JKLはキックボクシングを通じて国際交流を促進し、青少年の健全な育成に貢献するとともに、社会全体にポジティブな影響を与えることを目指しています。

主な発起人

JKL設立の発起人には、日本のキックボクシング・格闘技界を牽引してきた多くの関係者が名を連ねています（順不同、役職は設立時の一部）。

石井 和義（顧問）
伊藤 隆（幹事）
宮園 泰人（幹事）
寺口 大介（幹事）
尾方 健一
小野寺 力
久保坂 左近
山口 元気
宮田 充
大成 敦
林 裕人

これらの発起人の協力体制は、JKLが国内キックボクシング界の結束を促し、国際舞台での日本のプレゼンスを高めるための重要な基盤となっています。

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