日本クルーズ客船

日本クルーズ客船株式会社について

日本クルーズ客船株式会社は、1980年に設立された日本の海運会社で、主にクルーズ業務を展開していました。本社を大阪府大阪市北区に置き、SHKライングループの一部として運営されていました。この会社は、特に新造客船「おりえんとびいなす」の運航を中心に、国内外のクルーズ市場への参入を目指していました。

設立の背景と初期の展開

日本クルーズ客船は、1980年に下関から青島へ向かう航路を開設し、その後民間チャータークルーズ事業に進出しました。設立以来、この会社は新日本海フェリーの子会社として運営されており、同フェリーが建造した船舶を用いて運航を行っていました。特に、「ニューゆうとぴあ」や「ぱしふぃっくびいなす」などの大型客船が重要な役割を果たしていました。

除ヴェルの時代

1989年の設立から、1990年代には「ニューゆうとぴあ」が移管され、同年に「おりえんとびいなす」が就航しました。また、「ぱしふぃっくびいなす」は1998年から運航が始まり、この時期に日本国内におけるクルーズ事業が一層活発化しました。特に、2001年には「ぱしふぃっくびいなす」を使用した初の世界一周クルーズを実施し、多くの旅客を楽しませました。

しかし、2020年には新型コロナウイルスの影響により、各航海が中止となり、それ以降長期にわたる休止を余儀なくされました。この事態は、クルーズ業界全体に大きな打撃を与え、特に日本クルーズ客船の運航にも深刻な影響を及ぼしました。

終焉と清算

2022年には、2023年1月をもって客船事業を終了すると発表し、2023年1月に最後の航海となる「びいなすニューイヤークルーズ」を実施。そののち、会社自体の清算手続きが進められました。これは、コロナウイルスの影響によって戻らない客足に対策が講じられなかったことから、事業継続が困難になったためです。2024年3月には、登記簿が閉鎖され、正式に清算が完了することになりました。

保有船舶の紹介

日本クルーズ客船が保有していた客船はそれぞれ独自の歴史を持っていました。「ニューゆうとぴあ」は、1974年に進水し、1990年に移籍してからは578名を定員にし、尾道造船で建造された船でした。「おりえんとびいなす」は、1990年に就航し、606名を定員にした大型客船でした。この船は、特に人気があり、2001年には世界一周クルーズに使われました。最後に「ぱしふぃっくびいなす」は1998年に就航し、696名を受け入れる能力を持ちましたが、2023年に引退し、その後は韓国に売却されました。

まとめ

日本クルーズ客船株式会社の歴史は、クルーズ事業の魅力とそれに伴う挑戦の歴史でもありました。需要が高まっていたクルーズ産業でありながらも、未曾有のパンデミックに直面し、最終的に事業を終了する運びとなりました。これにより、日本国内のクルーズ業界は新たな局面を迎えることになるでしょう。

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