日本ゼネラルモーターズ

日本ゼネラルモーターズ

日本ゼネラルモーターズ株式会社（英：GM Japan Ltd.）は、アメリカ合衆国の巨大自動車メーカー、ゼネラルモーターズ（GM）がかつて日本国内に展開していた公式法人です。現在のGM日本法人であるゼネラルモーターズ・ジャパンの前身にあたる組織であり、日本の自動車市場におけるGMのビジネス展開を担っていました。本社は東京都品川区東品川に位置していましたが、これは現在のゼネラルモーターズ・ジャパンの本社所在地と同じ場所です。

概要

この法人は、日本国内におけるゼネラルモーターズの様々な自動車ブランド（キャデラック、シボレーなど）を包括的に管理する役割を担っていました。設立当初の業務は、主に日本国内の輸入代理店や提携する自動車メーカーに対する後方支援が中心でしたが、時間の経過と共にその役割は変化しました。近年（閉鎖されるまでの期間）においては、自社で積極的に車両の輸入販売、顧客へのサポート、そしてアフターサービスの提供までを一貫して手掛けるようになりました。このように、日本市場におけるGMの事業運営の核として機能していました。

歴史

ゼネラルモーターズの日本における活動は古く、第二次世界大戦以前にまで遡ります。

1927年: 大阪に生産拠点として「日本ゼネラル・モータース」が設立されました。これは日本の自動車産業の初期における外資系メーカーの活動として特筆されますが、日中戦争の激化などの影響を受け、1941年に惜しまれつつ撤退しました。

第二次世界大戦終結後、日本の自動車市場が再開されると、ヤナセ（キャデラックなどの取り扱い）、東邦モーターズ（オールズモビル、オペルなど）といった日本企業がGM車の正式な販売代理店として活動を開始し、輸入販売を担いました。

1990年代半ば（1995年頃）: 新たに「日本ゼネラルモーターズ株式会社」が設立され、恵比寿ガーデンプレイスに本社を構えました。これにより、GMは日本での直轄体制を強化し始めます。
1997年: 社内にサターン車の日本展開を担う専門組織、「サターンジャパン」を設立しました。
2001年: 全国的なGM車販売ネットワークである「GMオートワールド」（現在のGMシボレー店の一部につながる）の展開を開始しました。また、同年には日本国内におけるゼネラルモーターズのビジネス全体を統括する上位組織として、「ゼネラルモーターズ・アジア・パシフィック・ジャパン株式会社」が設立されました。これに伴い、日本ゼネラルモーターズは、GM車の日本における販売、マーケティング活動、および購入後のアフターサービスといった実務に特化する組織として再定義されました。
2002年: 外国車メーカーとして初めて、日本の主要な自動車産業団体である「日本自動車工業会」に正会員として加入するという画期的な出来事がありました。
2003年: 日本自動車工業会から正会員としての参加を取りやめ、以降は「会友」という立場で同会に関与し続けました。
2006年: 本社を品川シーサイドエリアに移転しました。
2011年: ゼネラルモーターズ・アジア・パシフィック・ジャパン株式会社との合併が実施され、新たな日本法人として「ゼネラルモーターズ・ジャパン株式会社」が設立されました。これにより、日本ゼネラルモーターズはその法人としての活動を終了し、現在の日本法人へと引き継がれました。

このように、日本ゼネラルモーターズは、戦前から戦後にかけてのGMの日本市場への関与、特に1990年代後半から2010年代初頭にかけてのGM直轄による販売・マーケティング活動の中心を担った重要な組織でした。

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