日本チェルノブイリ連帯基金

日本チェルノブイリ連帯基金：30年以上にわたる国際医療支援

1986年のチェルノブイリ原子力発電所事故を受け、日本国内でも被災者への支援活動が活発化しました。その一つとして長野県松本市に事務局を置く認定NPO法人「日本チェルノブイリ連帯基金」は、1991年、任意団体として設立されました。2005年には特定非営利活動法人となり、現在も活動を続けています。

チェルノブイリ事故被災者への支援：ベラルーシでの活動

同基金の主要な活動は、チェルノブイリ事故で深刻な被害を受けたベラルーシ共和国への医療支援です。設立翌年には、最初の支援チームを派遣。以来、信州大学医学部との連携の下、ベラルーシのゴメリ州を中心に活動しています。

具体的には、ゴメリ州チェチェルスクの子供たちを対象とした甲状腺スクリーニング検査や免疫能調査、ゴメリ州立病院附属産科における新生児医療支援などが挙げられます。放射能汚染による健康被害、特に小児甲状腺がんや血液疾患への対策に力を注いできました。長年にわたり、延べ92回にも及ぶ支援チームを派遣し、現地の人々の健康を守り、生活の改善に貢献してきました。

これらの地道な活動が評価され、1994年には信濃毎日新聞賞、2006年には読売国際協力賞を受賞しています。

国内での活動：福島第一原子力発電所事故への対応

チェルノブイリ事故以外の活動として、日本イラク医療支援ネットワークへの参加や、福島第一原子力発電所事故による子どもの健康への影響調査も実施しています。イラクでは白血病の子どもたちへの治療支援を行い、福島では信州大学医学部附属病院と連携して、放射能災害による健康影響の長期的な調査研究に協力しています。

信州大学との連携

日本チェルノブイリ連帯基金の活動において、信州大学医学部との連携は非常に重要です。医学的な専門知識や技術提供、人的資源の活用など、大学との協力関係が活動を支え、継続性を担保しています。

未来への展望

30年以上にわたり、チェルノブイリ事故被災者への支援を続ける日本チェルノブイリ連帯基金。今後も、国際的な視野と専門的な知見を活かし、医療支援や健康調査、啓発活動などを通して、人々の健康と福祉の向上に貢献していくことが期待されます。放射能災害の克服に向けて、その活動はこれからも継続されるでしょう。

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