日本バプテスト宣教団

日本バプテスト宣教団

日本バプテスト宣教団（にほんバプテストせんきょうだん）は、日本のプロテスタントキリスト教における福音派の団体の一つです。現在の事務所所在地は大阪府大阪狭山市にありますが、かつては三重県津市に本部を置いていた時期もありました。この団体は、アメリカ合衆国のバプテスト派の流れを汲んでおり、日本の福音派の主要な組織である日本福音同盟に加盟しています。

沿革

日本バプテスト宣教団の歴史は、第二次世界大戦後の日本の復興期に始まります。1951年11月、アメリカの北米バプテスト総合宣教団（NAB: North American Baptist Conference）から、宣教師として夫婦一組と女性三名が派遣されたことが、日本における宣教活動の第一歩となりました。初期の活動は、主に日本の中部地方を中心に行われました。

1953年には、F.ミラーという宣教師が来日し、三重県宇治山田市（現在の伊勢市の一部）において本格的な伝道が開始されました。翌1954年には、近隣の伊勢市でも新たな開拓伝道がスタートし、地道な活動が続けられました。これらの働きを通じて、教会や集会が形成されていきました。

長年にわたる宣教活動と教会形成を経て、日本におけるバプテスト派の働きをさらに組織化し、自立した宣教団体として活動を進めるため、1978年に「日本バプテスト宣教団」が正式に組織されました。これにより、日本の状況に即した宣教や教会形成が進められる体制が整えられました。

特色

日本バプテスト宣教団は、伝統的なバプテスト派の教義と原則を堅持していることを特色としています。その主な内容は以下の通りです。

聖書主義（Bible-Centered）：聖書を信仰と生活の唯一絶対の規範、神の言葉として重んじます。聖書の権威をすべての権威の上に置きます。
キリスト中心主義（Christ-Centered）：すべての信仰と活動の中心にイエス・キリストを置きます。キリストの十字架と復活を救いの中心的な出来事と捉えます。
浸礼（Immersion Baptism）：洗礼の形式として、信仰を告白した者に対して全身を水に浸す「浸礼」を行います。これはキリストの死と復活にあやかる行為であり、公の信仰告白とされます。
万人祭司主義（Priesthood of all Believers）：信徒一人ひとりが、仲介者なしに神と直接向き合うことができる「祭司」であると考えます。これにより、信徒の主体性と責任が強調されます。
各個教会主義と会衆政治（Autonomy of the Local Church and Congregational Government）：個々の教会は互いに独立しており、外部の組織や権威による干渉を受けません。また、教会運営の意思決定は、信徒全体の集まりである「会衆」によって行われます。
政教分離（Separation of Church and State）：政治と宗教は明確に分離されるべきであり、教会は国家権力から独立して活動すべきであるという原則です。

これらの原則は、バプテスト派が歴史的に大切にしてきたものであり、日本バプテスト宣教団の信仰と実践の基盤となっています。教会活動においては、これらの原則に基づき、伝道、礼拝、信徒の教育、社会への奉仕などが行われています。

主な人物

これまでに日本バプテスト宣教団に関わってきた人物は多くいますが、主な牧師の一人として村上久氏の名前が挙げられます。

関連項目

バプテスト派
日本福音同盟

日本バプテスト宣教団は、これらの特色を保ちつつ、日本における福音宣教と教会形成のために活動を続けています。

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