日本ミルクコミュニティ

日本ミルクコミュニティとは

日本ミルクコミュニティ株式会社は、かつて存在した日本の乳製品メーカーです。牛乳、乳飲料、ヨーグルトなどの製造・販売を主な事業としていました。この会社は、雪印乳業、全国農協直販（全農系）、ジャパンミルクネット（全酪連系）という3つの大手乳業の市乳事業を統合して設立されたという特徴があります。

2009年には、雪印乳業との経営統合により雪印メグミルクの子会社となりましたが、2011年には雪印メグミルクに吸収合併され、その歴史に幕を閉じました。短期間の企業活動でしたが、日本の乳業再編の歴史において重要な役割を果たしました。

設立の背景

1990年代から、国策として乳業の再編合理化が進められ、多くの中小乳業メーカーが姿を消しました。その中で、雪印乳業は2000年の食中毒事件、2001年の牛肉偽装事件といった不祥事が相次ぎ、経営危機に瀕していました。

これらの状況を打開するため、雪印乳業の市乳部門と、農協系乳業メーカーである全農と全酪連の市乳部門を統合する形で、日本ミルクコミュニティが設立されました。この統合は、雪印乳業の救済と乳業再編の一環として行われました。また、全酪連、全農も過去に不祥事を起こしており、そのことも事業再編の一因となりました。

主な商品

日本ミルクコミュニティは、牛乳、乳飲料、ヨーグルト、生クリーム、ジュースデザートなど幅広い商品を製造・販売していました。しかし、チーズやバターなどの乳製品は製造していません。これは、これらの製品の製造が旧雪印乳業によって引き継がれていたためです。

同社は、新ブランド「メグミルク」を立ち上げ、赤いパッケージでブランドイメージを一新しました。しかし、「雪印牛乳」「農協牛乳」「全酪牛乳」といった既存ブランドも一部継続して販売されていました。

さらに、コンビニエンスストア向けのプライベートブランド商品や、Doleなどの他社ブランド製品の生産も行っていました。地域限定商品として「カツゲン」なども販売していました。

代表的な商品

メグミルク牛乳: 同社の主力商品で、赤いパッケージが特徴です。
雪印牛乳: 雪印メグミルクグループ発祥の地である北海道を中心に販売されています。
おなかにやさしく: 乳糖を分解した乳飲料で、乳糖不耐症の方でも安心して飲めます。旧「アカディ」をリニューアルした商品です。
ナチュレ恵megumi: ガセリ菌SP株を含む4種類の乳酸菌を使用したプレーンヨーグルトです。
フリーヨーグルト ガセリ菌SP株: 脂肪分0%、砂糖不使用のプロバイオティクスヨーグルトです。
生きて届けるビフィズス菌ヨーグルト: 森下仁丹との共同開発で、ビフィズス菌をカプセルに入れて腸まで届けるヨーグルトです。
栗原さんちのおすそわけシリーズ: 料理研究家・栗原はるみさんがプロデュースしたデザートシリーズです。

これらの商品は、雪印メグミルクに商号変更後も継続して販売されています。

沿革

2003年1月1日: 創業
2003年1月6日: 会社設立、工場での製品製造を開始
2003年1月7日: メグミルクブランドの牛乳を店頭で販売開始
2005年5月: 「低温脱気製法」を採用した「牛乳が好きな人のメグミルク」を地域限定で発売
2006年2月28日: 「クリーム&マンゴプリン」を発売。
2006年3月28日: 「ナチュレ恵megumi」を発売。
2006年4月1日: 新コーポレートブランドメッセージ「笑顔のそばに MEGMILK」を制定。
2006年5月9日: 「牛乳が好きな人のメグミルク」を全国発売。
2006年1[[1月1日]]: 連結子会社の多摩ビヴァレッジを吸収合併
2007年4月: 「ヨープレイト」の販売を終了。
2007年5月: 「牛乳が好きな人のメグミルク」が「メグミルク牛乳」にリニューアル。
2007年10月: 海老名工場で製造された牛乳に、ヨーネ病に感染した乳牛の乳を使用していた疑いがあることが発覚し、自主回収。
2008年3月31日: 「メグミルク牛乳」の「メグまごころ製法」が特許を取得。
2009年1月27日: 雪印乳業との経営統合を発表。
2009年3月31日: 「アカディ」の後継商品「おなかにやさしく」を発売。
2009年10月1日: 雪印メグミルクの子会社となる。
2011年4月1日: 雪印メグミルクに吸収合併。

工場

日本ミルクコミュニティは、全国に複数の工場を保有していました。これらの工場は、合併後も雪印メグミルクに引き継がれ、現在も稼働しています。

主な工場は以下の通りです。

札幌工場 (札幌市東区)
川越工場 (埼玉県川越市)
野田工場 (千葉県野田市)
富里工場 (千葉県富里市)
日野工場 (東京都日野市)
海老名工場 (神奈川県海老名市)
豊橋工場 (愛知県豊川市)
名古屋工場 (名古屋市守山区)
京都工場池上製造所 (京都府南丹市)
京都工場 (京都府南丹市)
神戸工場 (神戸市西区)
福岡工場 (福岡市南区)

その他

委託: みちのくミルク株式会社本社工場、いばらく乳業株式会社へ製造を委託していました。
閉鎖工場: 児玉工場は2011年3月末に閉鎖されました。
* CM: 2009年12月当時、TOKIOの城島茂さんを起用した企業CMを放送していました。

日本ミルクコミュニティは短期間の企業活動でしたが、日本の乳業史において重要な役割を果たしました。その歴史は、雪印メグミルクへと引き継がれています。

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