日本リウマチ財団医学賞

日本リウマチ財団医学賞は、リウマチ領域における研究や教育に顕著な貢献をした研究者や教育者を表彰するために、日本リウマチ財団によって授与されていた医学賞です。この賞は、リウマチ学の発展に寄与した多くの研究者たちの業績を称え、その後の研究を奨励することを目的としていました。設立当初は複数の賞で構成されていましたが、現在はノバルティス・リウマチ医学賞のみが継続されています。

ノバルティス・リウマチ 医学賞

この賞は、創設当初は「チバガイギー・リウマチ医学賞」として知られていました。しかし、1997年4月に日本チバガイギーの医薬部門とサンド薬品が統合し、ノバルティス・ファーマが発足したことに伴い、「ノバルティス・リウマチ賞」と名称が変更されました。その後、1999年からは「ノバルティス・リウマチ医学賞」として、現在まで続いています。

チバガイギー・リウマチ 医学賞受賞者

1990年: 平野俊夫（リウマチの発症機序とIL-6に関する研究）
1991年: 池原進（骨髄移植による慢性関節リウマチ治療に関する基礎的研究）
1992年: 西岡久寿樹、岩倉洋一郎（成人T細胞白血病ウイルスによる関節炎発症機構の解明）
1993年: 小池隆夫（膠原病の血栓性病変と抗カルジオリピン抗体に関する研究）
1994年: 笹月健彦（慢性関節リウマチの発症を規定する遺伝要因の解明）
1995年: 橋本博史（全身性エリテマトーデス(SLE)の母親から出生する児の転帰・予後と治療法に関する研究）
1996年: 森本幾夫（ADA結合蛋白CD26のT細胞免疫機能への役割に関する研究）

ノバルティス・リウマチ賞受賞者

1997年: 山本一彦（慢性関節リウマチの病因抗原の同定に関する研究）
1998年: 岡田保典（マトリックスメタロプロテアーゼによるRA関節破壊の分子機構に関する研究）

ノバルティス・リウマチ医学賞受賞者

1999年: 吉崎和幸（サイトカイン産生異常の分子・遺伝子制御に関する研究）
2000年: 宮坂信之（慢性関節リウマチにおける滑膜増殖機構の解明と遺伝子治療による制御の試み）
2001年: 後藤眞（ウエルナー症候群遺伝子による強皮症徴候発現機構の解析）
2002年: 宮澤正顯（抗gp70自己抗体移入による肉芽腫性血管炎の発症機序の研究）
2003年: 林良夫（リウマチ性疾患における病因抗原の解明と臨床応用に関する研究）
2004年: 高柳広（関節リウマチ骨破壊の制御に関する研究）
2005年: 中島利博（タンパク質分解システム異常症としての関節リウマチに関する研究）
2006年: 小守壽文（Runx2による軟骨細胞・骨芽細胞の分化機序の解明）
2007年: 能勢眞人（膠原病の病像多様性のポリジーンネットワークに関する研究）
2008年: 上阪等（サイクリン依存性キナーゼ阻害による関節リウマチ新治療法に関する研究）
2009年: 塩沢俊一（関節リウマチの新規治療薬 c‐Fos /AP-1 阻害薬の開発研究）
2010年: 西本憲弘（多発性筋炎･皮膚筋炎における自己抗体の臨床的意義に関する研究）
2011年: 松本功（関節リウマチの発症メカニズムの解明とその制御）
2012年: 浅原弘嗣（システムアプローチによる関節形成メカニズムの解明とリウマチ病態解析への応用）
2013年: 梅原久範（IgG4関連疾患の病因病態関連蛋白および関連遺伝子の探索）
2014年: 中島友紀（破骨細胞を起点とした骨破壊の制御機構の解明）
2015年: 安友康二（リウマチ性疾患における免疫制御の破綻機構に関する研究）
2016年: 右田清志（家族性地中海熱を含めた自己炎症疾患の病態解明と治療法の開発）
2017年: 土屋尚之（日本人集団における膠原病共通の疾患感受性および抵抗性HLAハプロタイプの同定）
2018年: 南木敏宏（炎症細胞遊走阻害による関節リウマチ新規治療開発）
2019年: 吉富啓之（ヒトSox4は炎症環境下でCXCL13産生T細胞の分化を促進する）
2020年: 田中良哉（関節リウマチの「ドラッグホリデー」を目指す治療法の確立に関する研究）
2021年: 中村幸男（Wntシグナルを基盤にした関節リウマチの新たな治療戦略）
2022年: 川畑仁人（自己免疫疾患の病態形成に関わるT細胞サブセットの解明）
2023年: 村上正晃（IL-6アンプとゲートウェイ反射によるリウマチ性疾患の制御機構の解明）

その他の賞

かつては、以下のような賞も存在しましたが、現在は終了しています。

アボットジャパン・リウマチ性疾患臨床医学賞
北陸製薬・関節疾患学術奨励賞、北陸製薬・骨関節疾患学術奨励賞、北陸製薬・骨・関節疾患臨床医学賞、アボットジャパン・骨・関節疾患臨床医学賞、アボットジャパン・リウマチ臨床医学賞
ツムラ・骨関節臨床医学賞、ツムラ・リウマチ臨床研究賞、ツムラ・リウマチ社会医学賞
三浦記念リウマチ学術研究賞
柏崎リウマチ教育賞
ワイス国際賞（ワイスレダリー国際賞）
* リウマチ福祉賞

これらの賞は、リウマチ学の様々な分野における貢献を称えるものであり、基礎研究から臨床応用、社会福祉まで幅広い領域をカバーしていました。各賞の受賞者とその研究テーマは、リウマチ学の歴史と進歩を物語る貴重な記録となっています。

これらの賞の歴史と受賞者の業績は、リウマチ学の発展に大きく貢献し、今後の研究の更なる進展を促すでしょう。

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