平野俊夫

平野俊夫

平野俊夫（ひらの としお）は、1947年生まれの日本の生物学者です。大阪大学で医学博士号を取得後、免疫学と腫瘍病理学の研究に長年従事しました。特に、インターロイキン-6（IL-6）の発見とその作用機序の解明における功績は、国際的に高く評価されています。

生い立ちと学歴

平野氏は大阪府出身で、大阪府立天王寺高等学校を経て大阪大学医学部を卒業しました。大学卒業後は、大阪大学医学部第三内科に入局し、医学研究の道を歩み始めました。

研究活動

1980年から1984年まで熊本大学医学部附属免疫医学研究施設で助教授を務めた後、1984年に大阪大学細胞工学センターに移り、助教授として研究活動を継続しました。1989年には大阪大学教授に就任し、免疫学研究の第一線で活躍しました。平野氏の研究は、免疫系における細胞間コミュニケーションのメカニズム解明に大きく貢献しました。

特に、インターロイキン-6の発見とその機能解明は、免疫学の分野における大きな進歩であり、自己免疫疾患や炎症性疾患の病態解明、治療法開発に重要な影響を与えました。

大阪大学総長として

2011年、平野氏は大阪大学第17代総長に就任しました。総長として、大学の教育・研究体制の強化、国際競争力の向上に尽力し、大阪大学の発展に大きく貢献しました。任期中は、大学改革を推進し、研究成果の社会実装にも力を入れました。

量子科学技術研究開発機構理事長として

2016年、平野氏は量子科学技術研究開発機構の初代理事長に就任しました。同機構は、量子科学技術に関する研究開発を推進する日本の主要な研究機関であり、理事長として、研究開発の推進、人材育成、国際連携の強化に努めました。

受賞歴

平野氏の研究業績は、国内外で高く評価され、数々の学術賞を受賞しています。

主な受賞歴は以下の通りです。

1986年：第23回ベルツ賞
1990年：第1回チバガイギー・リウマチ医学賞
1992年：サンド免疫学賞
1997年：第15回大阪科学賞
1998年：第15回持田記念学術賞
2000年：ISI Citation Laureate Award
2004年：第45回藤原賞
2005年：平成17年度日本医師会医学賞
2009年：クラフォード賞（岸本忠三氏と共同受賞）
2011年：日本国際賞（岸本忠三氏と共同受賞）
2020年：Lifetime Achievement Award
2021年：クラリベイト引用栄誉賞

また、2006年には紫綬褒章、2022年には瑞宝大綬章を受章しています。

人物

平野氏は、研究者としてだけでなく、教育者、大学経営者としても優れた能力を発揮しました。その指導力と人柄から、多くの研究者や学生から尊敬を集めています。

主な役職歴

大阪大学医学部附属病院医員
大阪府立羽曳野病院勤務
熊本大学医学部附属免疫医学研究施設助教授
大阪大学細胞工学センター助教授
大阪大学医学部附属バイオメディカル教育研究センター教授
大阪大学医学部附属バイオメディカル教育研究センター長
大阪大学大学院医学系研究科附属バイオメディカル教育研究センター教授
大阪大学大学院医学系研究科教授
大阪大学大学院生命機能研究科教授
大阪大学医学部附属動物実験施設長
大阪大学大学院生命機能研究科長
国立大学法人大阪大学経営協議会委員
国立大学法人大阪大学教育研究評議員
大阪大学大学院医学系研究科長・医学部長
国立大学法人大阪大学総長
国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構理事長
国立研究開発法人協議会会長

外部リンク

平野俊夫のコーナー
* 平野俊夫 (@ToshioHiranoQST) - X（旧Twitter）

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