笹月健彦

笹月 健彦 - 日本の医学者

笹月健彦（ささづきたけひこ、1940年4月21日 - 2023年2月1日）は、日本の先端医療研究を牽引した著名な医学者であり、特に遺伝子学と免疫学の分野で多大な業績を残しました。福岡県出身の彼は、1965年に九州大学医学部を卒業し、その後、博士課程に進みました。

経歴と研究

笹月氏は、1966年から1969年にかけて東京医科歯科大学でインターンシップを経た後、1970年に同大学院で「ハプトグロビンおよび抗ヘモグロビン抗体の免疫化学的ならびに物理化学的性状」に関する研究を完成し、医学博士号を取得しました。その後、彼は東京医科歯科大学の遺伝病研究施設において、研究助手としてのキャリアをスタートさせました。

1973年、笹月氏はアメリカのスタンフォード大学にて研究を行い、1976年には東京医科歯科大学難治疾患研究所の助教授に就任。1977年には教授に昇進しました。1984年には九州大学生体防御医学研究所で教授職を歴任し、1990年からは同研究所の所長も務めました。

2001年には国立国際医療センターの研究所長に就任し、2004年には総長となりました。2008年に退職した後は、九州大学高等研究院の特別主幹教授として高い業績を持つ退職後の研究者に支援を行い、2019年には日本学士院の会員に選ばれました。

受賞歴と業績

笹月氏は、その功績により数々の受賞歴を持ちます。1984年には第1回持田記念学術賞、1989年に日本人類遺伝学会賞、1994年にはチバガイギー・リウマチ医学賞、1999年には日本医師会医学賞、さらに2002年には紫綬褒章を受賞しました。特に2003年にはアメリカのRose Payne賞、2017年には瑞宝重光章を受章し、その輝かしい研究キャリアが評価されています。

その研究成果は多岐にわたり、特に自身の論文が発表された「T-cell repertoire shaped by a single peptide-ligand」や「Hematopoietic cell-specific CDM family protein DOCK2」が医学界で注目されました。また、自身の研究が、自己免疫疾患への感受性遺伝子の特定に寄与するなど、重要な意義をもたらしました。

笹月氏は2023年2月1日に多臓器不全により、82歳で逝去しました。その死去の際には正四位に叙され、その業績に感謝の意が表されました。彼の研究は後世の医学研究において、道標となることでしょう。彼の遺した業績は今後の研究活動においても大いに活かされ、医学の発展に寄与することが期待されます。

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