日本・パラオ友好の橋

日本・パラオ友好の橋

日本・パラオ友好の橋（英名: Japan-Palau Friendship Bridge）は、パラオ共和国に位置するコンクリート製の橋で、コロール島とバベルダオブ島を結びます。この橋の全長は413メートルで、通称「KB橋」とも呼ばれています。その建設は、パラオの国土開発において非常に重要な役割を果たしてきました。

歴史的背景

この橋が完成する前、パラオの両島を結ぶのは渡し船のみでした。幅250メートル、水深30メートルの海峡を挟む2つの島は、島民にとって重要な交通手段を必要としていました。パラオ政府の成立以前から、この橋の計画は進められました。

初代の橋

1977年、韓国の建設会社SOCIOがコンクリート製の橋を建設しました。設計の際には、風速67メートル毎秒の暴風や大地震にも耐えるとされていました。しかし、建設から10年後には橋の中央部がたわみ始め、1990年には国際機関による調査が行われましたが、その調査では橋は「安全」と評価されました。その後も橋はたびたび補修され続けましたが、1996年に突如として崩落。崩落により2名が亡くなり、4名以上が負傷し、パラオの交通ネットワークは麻痺しました。この事故は「暗黒の9月事件」と称され、大統領のナカムラ氏は国家の非常事態を宣言しました。

崩落後の対応

橋崩落直後、官民挙げて復旧作業が行われました。日本政府も救助支援として飲料水の緊急輸送や仮設の浮き橋を設置しました。最終的に、崩落の原因は設計上の脆弱性にあったと考えられています。現在、旧橋の名残は碑文として残されています。

政治的影響

橋の崩落は1996年の大統領選挙にも大きな影響を及ぼしました。非常事態宣言に伴い、選挙からトリビオン候補が立候補を撤回し、ナカムラ大統領が再選を果たしました。

2代目の橋

2002年、日本の政府開発援助（ODA）により新しい橋が建設されました。この橋は、エクストラドーズド橋という構造形式で、耐用年数は50年と設計されています。パラオ政府が財政的理由から建設を断念したため、日本の鹿島建設が再建を手がけました。新橋は2002年に完工し、開通式では日本とパラオの友好の象徴として両国の国旗が描かれた記念碑が据えられました。さらに、この橋は、土木学会の田中賞も受賞しています。

新橋の特徴

新しい橋は、全長412.3メートルの3径間複合エクストラドーズド橋です。車道は幅8メートルで2車線、歩道は1.2メートルの幅があります。また橋の高さは40.684メートルであり、主塔が特徴的なデザインとなっています。

日本・パラオ友好の橋は、両国の友好関係を象徴する重要なインフラとして、現在も多くの人々に利用されています。

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