日本一のホラ吹き男

日本一のホラ吹き男

1964年に公開された『日本一のホラ吹き男』は、東宝映画の一作で、植木等が主演する「日本一の男」シリーズの第2弾です。本作は、現代劇を主軸としつつも、主人公の先祖が活躍するシーンが時代劇風に描かれているのが特徴です。キャッチコピーは、ユーモア溢れる「責任もってホラを吹き みんなまとめてメンドウみたよ！」です。

あらすじ

物語は、西北大学の陸上競技部に所属する学生・初等（はじめ　ひとし）が中心です。彼は1964年の東京オリンピックに向けて三段跳の選手として期待されていましたが、練習中にアキレス腱を切ってしまい、オリンピックへの出場を断念します。療養のために故郷に帰った彼は、先祖である初等之助の自伝を発見します。

この先祖は、一浪人に過ぎなかったものの大名になることを目指し、ホラ吹きと揶揄されながらも次第にその実力を認められ、最終的に二万石の大名にまで昇り詰めました。彼の言葉「ホラにしてホラにあらず」に感銘を受けた等は、気持ちを新たにし、増益電気という大企業に就職し出世を目指すことを宣言します。

面接試験では、南部可那子というミス増益電気に愛想をふりまきながら、堂々と「入社の暁には売上を倍にする」と発言し、面接官たちを驚かせましたが結果は不採用。しかし、彼は一計を案じ増益電気の警備員として潜入します。彼は社長がゴルフを好むことを知り、急遽ゴルフの知識を学び、社長にアプローチし社員になることに成功します。

配属された資料係では出世のチャンスがないものの、等は会社に泊まり込み、並外れた仕事量をこなし、周囲の注目を集めます。通常ならクビにされるような働きぶりですが、違反行為を理由に解雇させられることはできないため、ついに宣伝課への転属と係長昇進が決まります。

しかし、可那子にアプローチするも彼女は酷評になります。落胆しながらも、彼は増益電気の開発研究所に乗り込み、軽くあしらわれますが、研究員の井川から興味を持たれ、晩の酒席に誘われます。そこで冷暖房機能付きの電球の話を聞き、等はこれを売るアイデアを思いつき、自らCMを制作し、オンエアにこぎつけます。

社内は騒然としながらも、驚くべきことに問い合わせが殺到し、社長は冷暖電球の製造を決定します。その後、増益電気は売上が倍増しますが、等は他社から引き抜きの話があり、それを理由に辞意を示します。社長は彼を手放すつもりがなく、直属の秘書課長のポジションを与えます。

昇進後、再び可那子にアプローチし、彼女もついに等の実績を認めます。だが、増益電気には大きな案件が舞い込む。ナイロニア国の水力発電所を巡っての入札が行われ、等は自らがその責任を引き受けることを宣言するのです。果たして、彼はこの難局を乗り越えることができるのでしょうか。

キャスト

• - 初等（植木等）
• - 南部可那子（浜美枝）
• - つね（飯田蝶子）
• - その他、多数の豪華キャストが出演しています。

この作品は、ホラ吹きというユーモラスなテーマの中に、実際に努力と成長を追求する姿勢が描かれており、観る者に笑いと感動を与える一作です。

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