日本交通文化協会

公益財団法人日本交通文化協会

公益財団法人日本交通文化協会は、東京都千代田区有楽町に拠点を置く、芸術・文化の振興を目的とする非営利団体です。1948年の設立以来、パブリックアートの普及・振興、若手美術家育成のための「国際瀧冨士美術賞」および「瀧冨士基金」、一般公募展である「交通総合文化展」などを展開しています。国からの助成金に頼らず、所有する土地の賃借料などを経営資金とする点が特徴です。2010年11月に公益財団法人として新たなスタートを切りました。

主な活動内容

パブリックアートの普及・振興

日本交通文化協会の活動の中でも特徴的なのが、駅や空港などの公共空間へのアート作品設置です。自治体などが主導するまちづくりとは異なり、独自の視点からステンドグラス、陶板レリーフ、彫刻などを設置し、空間に彩りを与えています。アーティスト、空間管理者、制作・施工業者、協賛者といった関係者を繋ぎ、作品のプロデュースを手掛けています。「見る人に喜びと潤いを与え、生活の中に当たり前のようにアートが存在する社会を作る」という理念を掲げ、公共空間におけるアートの可能性を追求しています。

国際瀧冨士美術賞

若手美術家の育成を目的とした事業の一つが「国際瀧冨士美術賞」です。才能ある学生を支援し、未来の芸術界を担う人材を育成することを目指しています。

瀧冨士基金

交通事業従事者の子弟を対象とした育英制度が「瀧冨士基金」です。学業成績を重視した審査を行い、無利子での奨学金貸与に加え、特に優秀な学生には奨学金の給付も行っています。経済的な支援を通じて、次世代を担う人材の育成に貢献しています。

交通総合文化展

1954年に駅での展覧会として始まった「交通総合文化展」は、一般の人々にも開かれた公募展として、写真や俳句などの入選作品を展示する場となっています。当初は交通事業従事者の文化活動発表の場でしたが、時代とともに形を変え、現在では広く一般からの作品を募集しています。また、有力アーティストによる作品展「溯瀧会」も併設され、芸術文化の振興に貢献しています。

沿革

1948年 - ジャーナリストの瀧冨士太郎が「交通又は観光に関し、調査、研究、発明、考案の助成育成その他諸般の文化向上発展を図ること」を目的として設立。
1953年 - 運輸、観光業界の功労者を対象とする「交通文化賞」（運輸大臣表彰）を提案、実施。
1954年 - 「交通文化賞」の創設を記念して第1回「交通人総合文化展（現 交通総合文化展）」を開催。
1968年 - 交通事業者従事員の子弟を対象とする育英事業（現 瀧冨士基金）を開始。
1972年 - 鉄道100年記念事業として、東京駅地下中央通路大階段正面に日本初の公共ステンドグラス「天地創造」（福沢一郎作）を設置。
1980年 - 美大生を対象とする育英事業「瀧冨士美術賞（現 国際瀧冨士美術賞）」を開始。
1982年 - 公共空間の考察に向けた専門誌「パブリック・スペース」を創刊（～1994年）。
2000年 - 「パブリックアートの振興に関する提言」を運輸大臣（現 国土交通大臣）、文化庁長官、経団連会長、全国の主要美大学長に手交。
2003年 - パブリックアート振興を具現化するために我が国初の「日本の鉄道―パブリックアート大賞」を実施。
2007年 - 環境芸術推進活動のための広報誌「くれあーれにゅーす」を創刊。

歴代会長

鈴木清秀
吉松喬
荒木茂久二
片桐典徳
山田明吉
馬渡一眞
清水仁
松浦晃一郎

外部リンク

* 公益財団法人 日本交通文化協会

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