荒木茂久二

荒木茂久二

荒木茂久二（あらき もくじ、1907年7月25日 - 1991年6月25日）は、昭和期の日本において、官僚、そして経営者として重要な役割を果たした人物です。広島県福山市引野町に生まれ、激動の時代を駆け抜けました。

生い立ちと学歴

農家の次男として生を受けた荒木は、父・茂市が引野町長や広島県会議員を務めるなど、地域社会に根ざした家庭環境で育ちました。旧制の誠之館中学（現広島県立福山誠之館高等学校）を経て、第六高等学校へと進学。1932年には東京帝国大学法学部を卒業し、高度な専門知識を身につけました。

官僚としてのキャリア

大学卒業後、荒木は鉄道省に入省し、官僚としてのキャリアをスタートさせます。最初の配属先は仙台鉄道局書記でした。その後、鉄道省大臣官房文書課、広島鉄道局総務部長、東京鉄道局総務部長といった要職を歴任。運輸省大臣官房文書課長（途中まで大臣秘書官兼務）も務め、着実にキャリアを積み重ねていきました。

1949年6月には運輸省官房長に就任。この時期は、下山事件、三鷹事件、松川事件という三大公安事件が続発し、社会全体が不安に包まれていました。1952年1月には鉄道監督局長に就任し、鉄道行政の責任者として手腕を発揮。同年8月には初代航空局長に就任し、日本の航空行政の基礎を築きました。1956年2月14日から1958年12月5日までは運輸事務次官を務め、運輸行政のトップとしてその手腕を発揮しました。

経営者としての手腕

官僚としてのキャリアを終えた荒木は、その後、経営者として新たな道を歩み始めます。1961年には日本油槽船社長に就任し、海運業界に進出。1963年には昭和海運社長に就任し、経営手腕を発揮しました。1970年から1978年までの間は、帝都高速度交通営団（現東京メトロ）総裁を務め、首都圏の交通インフラの発展に大きく貢献しました。

受章と晩年

長年にわたる社会への貢献が認められ、1977年には勲一等瑞宝章を受章しました。1991年6月25日、心不全のため83歳で死去。その功績を称えられ、従三位が追贈されました。

荒木茂久二は、官僚として、経営者として、日本の発展に大きく貢献した人物として、その名が記憶されることでしょう。

もう一度検索