日本俳優協会

日本俳優協会の概要

公益社団法人日本俳優協会は、日本の伝統芸能である歌舞伎や新派、さらには商業演劇に携わる俳優たちのための職業団体です。この協会は1889年に東京俳優組合として設立され、以降も数回の名称変更を経て、2012年に公益社団法人としての地位を獲得しました。

沿革のハイライト

日本俳優協会の歴史は長く、多くの変遷を経てきました。1889年には東京俳優組合が発足し、1909年には大日本俳優協会へ改組されました。1915年には東京俳優組合演芸会、すなわち現在の俳優祭が始まりました。1946年には大日本俳優協会が解散されますが、1957年に日本俳優協会が再建されました。このときより、俳優祭が毎年開催されることとなります。

協会は1959年に文部省から社団法人として認可され、その後1965年には日本芸能実演家団体協議会に参加するなど、幅広い活動を展開していきました。特に、1995年には第1回日本俳優協会賞が設立され、業界の発展に寄与しています。

主要な出版物

日本俳優協会の重要な事業として「かぶき手帖」があります。2001年から発行されているこの公式データブックは、年間に一度発行され、全歌舞伎俳優の情報が掲載される貴重な資料です。この手帖は、関係する3つの団体によって共同編集され、俳優の名鑑としても利用されています。2022年には2年ぶりに刊行されたものの、2023年版の発行は見送られる見込みとなりました。

俳優祭の意義

俳優祭は日本俳優協会の主要なイベントで、医療費やおけいこの補助を目的とした福利厚生基金の資金を集めるために行われています。普段とは異なる演目が披露されたり、俳優が直接参加する出店が展開されるなど、多彩な内容が特徴です。収益の一部は災害支援に寄付されるなど、社会貢献の面でも重要な役割を果たしています。

歴代の会長

日本俳優協会の歴代会長の中には、二代目市川猿之助や六代目中村歌右衛門など、名だたる著名人が名を連ねています。特に八代目中村芝翫や四代目坂田藤十郎などの存在は、協会の運営や発展に大きく寄与しました。2012年の公益社団法人への移行に伴い、新たに理事長制度が導入され、初代理事長には七代目尾上菊五郎が就任しました。

結論

日本俳優協会は、日本の伝統的な演劇文化を守る重要な組織であり、数多くの俳優たちが集まり、協力してその発展に努めています。今後もこの団体の活躍と、日本の俳優業界のさらなる発展が期待されます。

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