日本共産党第11回大会

日本共産党第11回大会

日本共産党の第11回大会は、1970年7月1日から7日まで、東京都立川市と世田谷区で行われました。この大会では、前年の総選挙での成果や、4月の京都府知事選挙での勝利を踏まえ、1970年代に向けた民主連合政府の樹立に向けた新たな運動を提案しました。大会では、規約の大幅な改正も行われました。

大会の目的と背景

この党大会は、日本共産党が社会の現状を受け止め、新たな政治的展望を切り開こうとするものでした。1970年代に突入するにあたり、党の基盤をより強化し、民主連合政府を実現するための運動を展開することを目指しました。特に、1972年の沖縄施政権返還を見据え、沖縄人民党の瀬長亀次郎委員長が参加し、国政選挙に向けた支援を訴えたことも特徴的です。

規約の改正

大会では、党の基礎組織の名称が見直され、従来の「細胞」という名称が廃止され「支部」に改名されました。これによって、党組織の活動がより分かりやすく、効果的に進められることを目指しました。

中央委員会の改組

党の運営体制についても、大きな変革がなされました。従来の議長・書記長体制から変更され、議長は名誉職とされ、幹部会委員長と書記局長が新たに設置されました。この変更により、党の日常的な運営は常任幹部会が担当し、対外的な代表には幹部会委員長が当たることとなりました。

名誉役員制度の創設

さらに、名誉役員の制度が新たに設けられました。この大会で初めて承認された名誉役員には、江口渙と野坂龍の二名が選ばれました。名誉役員制度は、急速に変化する政治情勢に対応しながらも、党の伝統や理念を大切にするための仕組みとして位置づけられました。

中央委員会の選出

大会の結果、新たに選出された中央委員会のメンバーには、中央委員会議長に野坂参三が、幹部会委員長に宮本顕治、中央委員会書記局長に不破哲三がそれぞれ就任しました。これらのリーダーたちは、党の方針を実現するために積極的に活動することが期待されました。

おわりに

日本共産党第11回大会は、党の未来を見据えた重要な節目であり、社会情勢の変化に対応した新しい体制と方向性を示すこととなりました。この大会は、党の歴史における一つの転換点とも言え、今後の活動に大きな影響を与える契機となったのです。

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